こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
東京はまだ20名前後のコロナウイルス感染者が毎日増えてはいるものの、安定してきたことから「東京アラート」は3ステップに入り、いろいろな制限がなくなりつつあります。皆さんはどんな想いで仕事をしていますか?
今月は、直接は皆さんに関係がないように思うかもしれませんが、日本の金融について学ぶことで、中小企業が、小規模事業者が生き残っていけるのかの切り口を考えたいと思っています。
今日のテーマは、「金融検査マニュアルの廃止 金融仲介機能のベンチマーク1」です。
先週も書きましたが、明治以来、国の財政は「大蔵省」で仕切ってきました。しかし、いわゆる「バブル崩壊」によって、金融業界は、不良債権を抱え大きな困難に直面しました。その対応をするために、「金融監督庁(今の金融庁)」が生まれました。
結果的に、その後お行政改革で、大蔵省はなくなり財務省と衣替えをしました。金融監督庁が最初に取り組んだのが「金融検査マニュアル」の策定です。今までのバブルの反省から生まれた制度でしたが、基本は不良債権処理でした。
金融検査マニュアルとは、金融庁が金融機関を検査するためのマニュアルです。したがって、ここに書かれている基準に違うことをすると「指導」を受けることになります。
金融機関は、指導を受けることにならないよう、担保や保証に力を入れ、保証協会に100%頼った融資や、事業や経営者のことは関係なく、決算書から導かれる「定量評価」とそれによる融資可能性についての決定方法に従っていました。
その結果、金融機関側には、自分たちで与信をする力を失っていきました。また、お客様への関心を失い、借り手が健全であれば、担保があれば良い会社であるという風潮が支配されていきました。
メガバンクが変化に対応していくなかで、地域金融機関は、金融庁の指導の元「地域密着型金融」というビジネスモデルすべく挑戦し始めていましたが、2008年のリーマン・ショックと、その対応のためつくられた時限立法だった「中小企業金融円滑化法」が動き出し、再び、金融機関にも、借り手側にも歪みが生まれてしまいました。
これでは、日本の地域金融機関の力がつくはずはありません。確かに、中小企業に資金を与え続け潰れさせないことで、金融機関側のリスクを下げ、経営改善計画書を用意することで、格付けをアップして、引当金を積まないという手法で、繰り返しリスケをしていく仕組みです。
2017年の金融行政方針の中で、担保・保証依存から事業性評価に基づく融資への転換がうたわれ、企業アンケートをすることが示されました。このアンケートの結果、銀行側と企業側には大きながギャップが有り、それを埋めるためには、新たな取組みに関するそれぞれの金融機関のディスクロージャーが求められました。
その枠組が「金融仲介機能のベンチマーク」です。金融検査マニュアルの廃止向けて動き出したのです。