こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
東京は新型コロナウイルス感染者が毎日増えてはいるものの、「東京アラート」は3ステップに入り、いろいろな制限がなくなりつつあります。皆さんはどんな想いで仕事をしていますか?
今月は、直接は皆さんに関係がないように思うかもしれませんが、日本の金融について学ぶことで、中小企業が、小規模事業者が生き残っていけるのかの切り口を考えたいと思っています。
今日のテーマは、「金融検査マニュアルの廃止 平成28事務年度 金融行政方針」です。
平成28年10月に出された金融行政方針では、最初に「金融当局・金融行政運営の変革」として「検査・監督のあり方の見直し」として、正式に今までの金融検査マニュアルの廃止に向けて一歩踏み出します。
すでに2017年の企業ヒアリング等の調査によって金融機関と取引先との意識のギャップが大きいことと、その原因が1999年から続いている金融検査マニュアルにあることを認め、その廃止と新たな検査・監督の手法を検討するとしたのが、この年の金融行政方針です。
新たな検査・監督の基本的な考え方は、
1.形式から実質へ
規制の形式的な遵守(ミニマム・スタンダード)のチェックより、実質的に良質な金融サービスの提供(ベスト・プラクティス)を重視
2.過去から将来へ
過去の一時点の健全性の確認より、将来に向けたビジネスモデルの持続可能性等を重視
3.部分から全体へ
特定の個別問題への対応に集中するより、真に重要な問題への対応ができているかを重視
また、「共通価値の創造」を目指した金融機関のビジネスモデルの転換として、4項目を挙げている。
1.金融仲介機能発揮に向けた取り組みの実態把握
● 融資に関し、金融機関と顧客の認識に相違が存在
● 「日本型金融排除」が生じていないか
2.金融機関との深度ある対話(金融庁が)
● ベンチマークへの取り組みの実態把握
● 金融仲介の質向上に向けた対話の実施
3.開示の促進等を通じた良質な金融サービスの提供に向けた競争の実現
● 自行の取り組みを積極的に顧客に開示
● 金融機関の取り組みを金融庁当局が公表・表彰する
● 良質な金融サービス提供に向けた金融機関間の競争を促す
4.金融システムの健全性維持
● 国内外の経済や市場に混乱が生じた際も、金融システムが健全性を保ち続ける
● グローバルに関しては、海外与信、安定的な外貨調達など
● 金利の低下により投信や不動産与信が増えている、リスクテイクの範囲が広がっている
● 金融機関の「ビジネスモデルの持続可能性
ここまではっきり言うことで、金融機関に「行動」を求めています。しかし、実態は、この平成28年あたりでは、多くの金融機関では、ベンチマークを含めた対応に興味はなく、保守的な動きをし続けていました。そう、つい最近まで。