こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています
東京都の新しい警報基準が明確には示されませんでした。7つの指標を勘案して総合的に判断するとのことでした。政治にはバランスが必要ですが、国民からわかりやすいことも重要なような気がしました。これで、今週末の得票率を減らす結果になるのだと思います。他方で、大阪の吉村知事の明快さと「ワクチン」にまで力を入れる姿を評価するのは、素人好みでしょうか?
今日のテーマは、「これからの検査・監督の基本的考え方」です。
今までの検査マニュアルでは、融資に対する金融機関側の選択肢は少なく、その枠組を超える事はできませんでした。金融機関側の個性や特性もあり、また、金融の仲介機能をどの様に実現しようとしているのか取り組みのありようも違います。
そこで、金融機関が創意工夫を行いやすくするにはどうしたらよいのかです。それぞれの金融機関の地域性や経営理念、経営戦略も違い、いろいろな人材や個性がぶつかり合って会社を作っていることから多様性があります。金融機関を同じ目線で扱うのではなく、個別に検査・監督をする方針です。
大変手がかかり、難しい作業だとは思いますが、金融機関が、これからは、過去の数字だけではなく、中小企業者の事業の実態を理解し、個別の資金ニーズの理解を深め、一緒に生き残るためのコンサルティングをするのと同様なのです。
金融庁は、金融機関の個性・特性を理解する。すなわち、金融機関がどのような経営環境の中で、何を目指しているのか(経営理念)、そのためにどのような経営戦略や融資方針、リスクテイク方針を採用しているのかを知って頂く必要があります。
次に、どのように金融仲介機能を発揮しようとしているのか、その上に、それに伴う健全性上の課題は何かを明らかにする必要があります。なぜなら、健全性と金融仲介は表裏一体だからです。
地域金融機関であれば、地域に根ざした融資を行うのであり、当然に、地域の産業事情に通じているものと思います。また、貸出先の産業特有のリスクをどの様に理解して、どのように対応しようとしているのか等です。
すなわち、信用リスクに関しては、現在までの貸し倒れ実績、倒産件数、倒産時回収実績などの過去の実績と、自社の実態BSやPL、支払状況、条件変更等の定量実績、さらに事業の将来性や代表者の資質などの現状把握があります。
また、足元の情報としては、融資方針・基準の変化、ポートフォリオによる質・量の変化、特定の地域や産業の状況の変化、その他外的環境要因があるでしょうし、将来の情報としては、マクロの経済指標や特定地域、特定産業の将来予測値などがあります。
その上で、引当金をどうするのか、なのです。このディスカッション・ペーパーでは、今までの別表にある「金融検査マニュアルに基づいて定着した現状の引当実務(主に過去実績を基に算定)は否定しない」としています。
また、「健全性・適切性の観点から問題があると認められる場合には、従前同様、ガバナンス・態勢の是正や、償却・引当の適切な見積りを求める」としています。
したがって、地域金融機関としては、しっかりと準備を進め、個社の実態を経営理念から説明し、引当金の妥当性も合わせて説明する必要があります。すなわち、今までのように計算すればでてくるのではなく、今持ち得ている情報を解説し、足元の情報から計上している引当金の妥当性を説明する必要があります。きっと大変な作業だと思いますし、それを指導する金融庁側も同じだと思われます。