こんにちは
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
昨日(7/2)の東京都の新規感染者数は、107人になり、5月2日以来の100人超えです。今週は、50人台が続き、一昨日67人、そして昨日は107人。暑くなっても衰えを見せていません。この様な状況の中、感染症の防疫と経済の維持発展はその有り様が相反していて、日本だけでなく、世界中が混乱を続けています。皆さんは大丈夫でしょうか?
現在のコロナの混乱の中で、多くの地域金融機関も、地元の資金繰りに窮している企業に対応しているところでしょうが、現実は、無金利の資金を得たい中小企業、小規模事業者の申し出でと矢の催促と信用保証協会の回答待ちで、金融機関の皆様も、うんざりしているところではないでしょうか。
ところで、今日のテーマは、「もう一歩先を考える地域金融機関像」です。
昨日まで、「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」を読んできました。いかがだったでしょうか。金融庁も画一的な検査・監督から脱して、対話を通して、地域金融機関の健全な経営を後押ししようとしています。
地域金融機関も会社です。本業での利益が上がらなくては食っていけません。地域金融機関は、その役割を長く果たしてきましたが、低金利の状況の中、苦しんでいるというのが事実です。当局から今後の変革を求められています。赤字の続いている地方銀行は50社を超えたままなのです。
中小企業経営者の皆様も、本当に、どのような金融機関と付き合って行けばよいのか知りたいところだと思います。
少し古いですが、金融庁金融研修センターのディスカッション・ペーパーの中に、『金融機関による事業性評価の定着に向けた採算化にかかる分析・考察(2018年9月)』という小論文があります。
ここでは、「事業性評価」と言われているが、採算性に貢献しているのか?具体的な効果があって、金融機関側は興味を持って対応しているかを確認している。残念ながら、結論から言うと、あまり直接的に金融機関側の利益に貢献はしていないようです。
しかし、自社の狙いが明確で、一歩踏み込んでいる金融機関は、結果的に取引先の現状を深く理解し、早期に資金需要を発掘・換気できて、他行に先駆けた貸し出し対応ができていることが報告されています。つまり、貸し出しの伸長率には関係性が見出だせるとしています。
この低金利のなかで、金利交渉そのものは難しいようですが、貸出量と金利のバランスを視野に入れていく金融機関もあるようです。
格付けについては、今までのような過去の財務実績だけではなく、定性的な情報をもとに将来の予測を含めて様々な情報が集まり、良い情報も悪い情報も含めて取引先の実態を掴み、将来の見通しを立て、信用コストのコントロールがしやすくなったとの評価が多いようです。つまり、格付けの改善に役立つことが予想されます。
反対の立場で考えると、このような状況の中で、自社の改革を伴う「事業性評価」に積極的に挑戦している金融機関こそ付き合うべき先です。まさに、危機感を持って改善をしようとしている経営者がその金融機関にいらっしゃるということです。
また、この作業は、若い行員にとっても地域社会に貢献できる「やりがいのある仕事」です。人事のローテーションの規定の拘束もなくなり、顧客との関係強化によって、しっかりとした信頼関係を構築できることでしょう。
若い人たちが育ってくれれば、地元にいる中小企業としては、安心の種が増えたことになるのではないでしょうか。中小企業側からも、お取引の金融機関が「事業性評価」に取り組んでいるのかを確認し、積極的に良い関係を構築することをおすすめします。若い行員も大切いしてください。2~3年でいなくなることは減るでしょう。(新入社員は別)