こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
先週は、令和2年7月17日に発表された「経済財政運営と改革の基本方針2020」の発表とセットになっていた「成長戦略実行計画案」をご紹介しました。
コロナ禍により、「経済財政運営と改革の基本方針2020」は、政策の見直しが発生し、当初予定より1ヶ月遅れての発表でした。本来であれば来年度の概算予算申請に間に合うように6月中旬に発表していたものです。したがって、概算予算要求も1ヶ月遅れています。
これから、2週間に渡って、「経済財政運営と改革の基本方針2020」の内容をお伝えします。ここで書かれている内容をベースに、今年度予算の実施、及び来年度予算の検討に各省で検討される大きな枠だと思ってください。いわゆる「国のベクトル」です。
今日は、第1章の「新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた現下の経済財政状況」です。
すでに9月に入りましたので、2ヶ月が経過していますので、多少ブレが発生していることは先に断っておきます。
書き出しでは、「世界は今、歴史的な危機に直面している」「我々は、時代の大きな転換点に直面しており、この数年で思い切った変革が実行できるかどうかが、日本の未来を左右する」と断じています。
現状の認識については、「我が国経済は、…極めて厳しい状況にある。…雇用情勢も、弱い動きになっており、…企業が懸命に雇用を守っている状況にある。」としています。
今後は、「感染拡大防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引上げ…、経済を内需主導で成長軌道に戻していく…。」と、その方向性を示しています。
同時に、我が国の課題やリスク、取組の遅れや新たな動きを箇条書きにして整理しています。
- 行政分野でのデジタル化・オンライン化の遅れ
- 大都市に集中して居住しているリスク
- 経済機能等、国の中枢機能が一極に集中しているリスク
- テレワークや遠隔診療、遠隔教育などのリモートサービスの活用・定着
- 働き方や地方移住も考える機運醸成
- デジタル人材の不足
- イノベーションの減速が顕著、国際競争力の減退
- 非正規雇用者やフリーランス、中小・小規模事業者など弱い立場がしわ寄せを受けている
- 格差が常態化すれば、社会の分断されかねない状況
- デジタル化の加速で、データ流通やデジタル経済の国際的な寡占化に懸念
- デジタル化、自動化、デジタルトランスフォーメーションに対する公正なルールづくりが必要、我が国が主導する
- 基礎的な生活物資の不足に対応が必要、特定の国・地域に依存している
- サプライチェーンの見直し、国内外、複数の国・地域への複線化の必要性
- 今年度、新規国債発行額90兆円(戦後最大)になり、社会保障、財政の持続可能性などに構造的な問題がある
なお、国際経済に関しては、副題を「国際秩序の揺らぎ」とした上で、今回のコロナによる経済危機に3つの特徴があるとしている。
- 世界経済の大幅な落ち込みと不確実性の高まり…マイナス成長…世界恐慌以来の後退、各国とも大幅な財政出動により国民の雇用・事業・生活を支えている。
- 自由貿易体制の維持への懸念
- グローバルレベルでの協調の形骸化や国際的分断の進行」とし、本来ならば、「一国の枠を超え、国際社会で叡智を結集し、協調・連帯していく重要性」があるとした上で、世界にリーダーがいないこと指摘しています。
これを読んで、皆さんはどう感じましたか?同じような認識でしょうか?この現状認識をベースに、次回は、「ポストコロナ時代の新しい未来」です。