こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「コロナ後の金融行政の行方」です。今日は、「日本銀行の “ より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検 ”」です。
3月19日に発表された日本銀行の点検結果は以下のようなものでした。
基本的な政策 の考え方としては、
- 2%の「物価安定の目標」を実現するため、持続的な形で、金融緩和を継続
- 物価・金融情勢の変化に対して、躊躇なく、機動的かつ効果的に対応していく
対応方策は、以下の通り。
- 短期政策金利に連動する「貸出促進付利制度」(別紙2)を創設する
- 長期金利の変動幅は±0.25%程度で明確化、「連続指値オペ制度」を導入
- ETFおよびJ-REITそれぞれ約12兆円、約1,800億円の年間増加ペースの上限を感染症収束後も継続
コロナで、「2%の物価目標達成」の政策方針を一時的に棚上げしてきたが、この「金融緩和の点検」で、1年ぶりに、政策の重点を、「2%の物価目標達成」の従来の枠組みに戻すことにしたようです。
正直なところ、まだこのまま「2%の物価目標達成」ですか?結果だけ見たら、失敗だったのではないでしょうか?この点検を期に新たな政策にして、金融機関の収益を圧迫し、経営を危うくしている政策への転換が必要であると考えていました。
この「点検」で、日本銀行は、「金融機関収益の下押しが長期化すると、①金融仲介機能が停滞方向に向うリスクがある。一方、こうした環境のもとでは、②利回り追求行動などに起因して、金融システム面の脆弱性が高まる可能性もある。」と認めています。
また、新たな「貸出促進付利制度」は、政策金利を引き下げた場合でも、それが金融機関の収益に与える打撃を緩和することができる仕組みです。この上乗せ金利を導入することで、日本銀行は金融機関の収益に配慮し、必要であれば政策金利の引き下げをさらに実行できる」と主張しています。
金融庁が、地域金融機関に事業の再構築を、ダメなら経営統合、合併を選択するように誘導し、同時に収益悪化の原因でもある日本銀行は、上乗せの金利で「誤魔化している」という印象がありますが、当事者の皆さんはどの様に感じているのでしょうか?
中小企業・小規模事業者の立場ですと、やはり、身近に頼りになる地域金融機関、地方銀行、そして信用金庫、信用組合などの事業を理解し、地域の経済を支える「仲間」であり、「借り入れができる窓口」を、失いたくはないのではないでしょうか。