こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「中小企業を支える地域金融機関の役割」、今日は、「信用金庫等は、ウィズコロナにどう対応するのか? その1」です。
さて、今日も、引き続き、神戸大学経済経営研究所教授の家森先生が中心となってリサーチしてまとめたマイナス金利環境下における地域金融機関の現状と課題』アジア太平洋研究所資料21-3 研究会報告書2020年度 2021.03.31(APIR アジア太平洋研究所)第 3 章 「マイナス金利政策が地域金融機関へ及ぼす影響-地域経済活性化にフィットする金融機関の取組―」(尾島雅夫)を引用します。
「長期志向的な信用金庫は、顧客と金融機関が利害を共にしていることから、リスクシフトは抑制的である」また、「信用金庫の中小企業向け貸出は地域銀行に比べ地域の雇用への効果は高い」ことから、「地域や中小企業の課題を長期的に解決していこうとする特徴があり地域経済活性化にはフィットしている」と分析しています。
今年になってから、政府は新たなステップへ踏み出しており、コロナに対する緊急の「支給金」や「実質無金利・無保証の融資」などから、「事業転換」「事業再構築」「事業承継」に対しての支援に舵をきりました。
この融資や補助金等の付帯条件として「伴走支援」を謳っています。上記論文でも、「金融機関は顧客企業に対するコンサルティング機能の発揮を通じて、中小企業の経営改善の取組を支援していくことが求められている」と解説しています。
「顧客企業と金融機関の両者の取組が経営改善をすすめキャッシュフローが増加することにより、地域経済活性化に結び付くことが目的である。地域金融機関に求められているのは、長期的に企業や地域の課題を解決していくという行動や姿勢である」として、信用金庫に期待を表明しています。
すなわち「協働組織型の地域金融機関のビジネスモデルは、地域や中小企業の課題を長期的視点に立って解決していこうとする行動であり地域経済活性化にはフィットする」と。
逆に、「地域銀行は短期志向的モデルからの転換も視野に入れるという柔軟な発想が必要であることを示唆している」と地方銀行に苦言を呈しています。
しかし、理論上は正しい選択であり、政策モデルであるのかもしれませんが、はたして、地域金融機関側に、信用金庫に、その準備ができているのでしょうか?
「金融調査情報 2021-2 (2021.4.1)©信金中央金庫 地域・中小企業研究所」によると、「近年の信用金庫の本部組織改革の動きをみると、営業店事務の集中化などで営業店サポート部門の陣容が拡充される一方で、本部全体では効率化を目指す動きが強い。」ようです。
本部組織改革を目的に直近3年間に実施した施策(信用金庫)は、以下の通りです。
ウィズコロナ時代に対するためには、「信用金庫の常勤役職員数の減少が続くなか、顧客に対するきめ細かい伴走型支援を強化するためには、より多くの職員を営業活動に振り分ける必要がある。」と指摘し、「本部と営業店の役割分担を再検討するとともに、アウトソーシング可能な業務、そもそも不 要・不急な業務などを洗い出し、組織のスリム化を図っていくことが望まれる。」と結論付けている。