こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「中小企業を支える地域金融機関の役割」、今日は、「ウィズコロナ 地域金融機関の伴走はどう実現するのか?」です。
ここに来て、かつて2014年の小規模支援法の改正の際にいわれた「伴走」という言葉が表に出てきました。私もかつて「コンサルタント」のあるべきイメージを整理するときに、「伴走」という言葉を使ったことがあります。「寄り添う」ことは、手間がかかることだと思ったものです。
2021年4月から「伴走支援型特別保証制度」がスタートしました。コロナ禍において多くの中小企業者の売上等が減少しており、早期に経営改善等に取り組む必要があります。
一定の要件(売上減少▲15%以上等)を満たした中小企業者等が、金融機関による継続的な伴走支援を受けること等を条件に、信用保証料の事業者負担を大幅に引き下げる制度です。
金融機関との対話を通じてコロナ禍を乗り越えるための「経営行動計画書」を作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けることが条件となっているのです。
また、第3次補正予算による「事業再構築支援補助金」についても、その要件2で、「自社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等と策定し、一体となって事業再構築に取り組むこと。」となっています。
金融機関側には、「認定支援機関」として中小企業に最初の計画から寄り添って作成し、事業を一体となって進め、中小企業側には、倒産することの無いよう金融機関側のアドバイスを受けながら経営することを求めています。
リーマンショック以降の反省を活かしていく支援策だと思いますが、残念ながら、実際に「伴走型支援」をするための人員の絶対量と、コンサルタントとしての力量が金融機関側の末端の支店の営業にすでに用意できているとは思えません。
政府が求める「伴走型支援」を実現するためには、専門家として、多くの中小企業診断士や税理士に期待が集まりますが、本当に「経営を担った経験」がある方は意外と少ないものです。「先生商売が本業」なのですから。
しかし、「伴走型支援」では、「経営」に口を出し、手を出して一緒に働く必要があります。「認定支援機関」の絶対数は多い(中小企業診断士、税理士は、申請するだけで「認定支援機関」になることが出来ます)のだと思いますが、顧問先以外にも力を貸そうと思っていただける先生も少ないようです。
この政策が形式だけで進むと、結果的に地域金融機関に負担が多くなり心配です。すでに、本来の地域経済活性化のために、新たな工夫をしてコンサルタント能力向上を進めている信用金庫もありますが、そのような先端的な試みをしている会社は、まだまだ少ないように見受けられます。
私も「認定支援機関」ですので、今回の非常事態宣言に伴う「一時金支給」でもお手伝いをさせていただきました。何人かの方は、「認定支援機関」である信用金庫等にお願いしようと電話しましたが、「借り入れ実績がない」などの理由で拒否され、実質的には「たらい回しにあった」とのことです。
本部では理解されていても、末端の営業店ではそれどころではないのかもしれません。
伴走とは、まさに「目の見えないランナー」と同じ紐を持って繋がり、一緒に走る作業です。相手の立場に立って、ゴールまで呼吸や歩幅を合わして相手のリズムで、能力を引き出し、成功に導くのです。