こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「緊急事態宣言の再延長による経済の行方」、今日は、「緊急事態宣言再延長で失業者プラス9万人増」です。
今日は、第一生命経済研究所の「Economic Trend 2021/05/25」に掲載された経済調査部 首席エコノミスト永濱利廣の経済分析レポート「緊急事態宣言延長の経済的影響~失業者+9万人増の可能性。2四半期連続マイナス成長の可能性高まる~」を参考にお伝えします。
永濱氏は、このレポートで、「近年のGDPと失業者数との関係に基づけば、実質GDPが1兆円減ると1四半期後の失業者数が+5.5 万人以上増える関係がある。従って、この関係に基づけば、3道県の緊急事態宣言が16日間追加されれば、それに伴う3か月後の失業者の増加規模はこれまでの+5.8万人に+3.2万人が加 わり、トータルで+9.0万人程度に拡大すると試算される。」と報告している。
(一昨日の野村総研の試算では、7.67 + 4.92 = 12.59 万人の試算が出ています)
さらに、永濱氏は、「最も代表的な雇用環境を示す指標に完全失業率があるが、真の失業率ともいわれる未活用労働指標はさらに悪化している」としている。この「未活用労働指標」は、総務省は平成30年から、集計して公表している。
「就業していてももっと働きたいと考えている人や、非労働力人口の中でも働きたいと考えている人も存在するが、そうした人たちは完全失業者にはカウントされていない。」ことから、「未活用労働指標 LU4(=「労働力人口+潜在労働力人口」に占める「失業者+追加就労希望者+潜在労働力人口」の割合)を見て、真の実態に迫ろうとしています。
その「未活用労働指標」は、「今年1-3月期時点で 7.4%まで上昇しており、特に男女別では男性が 6.1%の水準にとどまっているのに対し、女性が 9.1%の水準 まで上昇していることがわかる。」と分析しています。
これらの状況を踏まえ、政府も矢継ぎ早にその雇用対策を打ち出しています。厚生労働省は、5月28日付で以下のように報道関係者に記者発表しています。
「新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置については、5月・6月は特に業況が厳しい事業主等に対し特例を設けつつ、原則的な措置の水準は一定程度抑えることとし、その上で、7月以降の助成内容については通常制度に向けて更に見直しを進めていく旨公表していたところです。
今般の緊急事態宣言の延長等を踏まえ、7月についても、5月・6月の助成内容を継続することとする予定です(別紙)。」
同時に、経済産業省は、「政府系金融機関による実質無利子・無担保融資の期限延長について(2021.05.25)」を発して、「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた事業者に対する、政府系金融機関による実質無利子・無担保融資について、申込期限を延長」を決めました。
「具体的には、昨年12月の経済対策において「当面今年前半まで」とされている申込期限について、今般、足下の感染状況や資金繰りの状況を踏まえて「当面年末まで」継続といたします。引き続き、事業者の資金繰り支援に万全を期してまいります。」と年末までの延長を発表しました。