こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「2021年版 中小企業白書・小規模企業白書を読む」、今日は、「中小企業の財務基盤と感染症の影響を踏まえた経営戦略」です。
7月の上旬、今年も大きな災害が発生しました。熱海市で土石流が発生し、多くの方々が巻き込まれ、未だ発見できていないようです。豊かな自然が開発の陰でないがしろにされた「人災」であるのかもしれません。一人でも多くの方々が発見救助されることを祈るばかりです。
さて、昨日は、中小企業白書・小規模企業白書のテーマが「危機を乗り越え、再び確かな成長軌道へ」であることと、その【総論】をお伝えしました。今日は、財務基盤強化と経営戦略の作成です。
中小企業の財務状況は、従前から、「損益分岐点比率が高い」ことから、売上高の急激な変化に弱いことが指摘されています。本来は、社長が自社の財務状況を把握することが必要であり、経営分析に基づいた経営をできるようにする必要があるとしています。
確かに、月次の売上や損益は理解している社長はいるものの、月次決算をとおして「財務状況」「資金繰り」「経営分析」まで理解し、説明できる中小企業の社長は少ないことは事実です。
経営を改善するためには、「財務状況も踏まえ、今後どの様な経営戦略を立てていくのが重要」として、社内外の関係者に伝わるように「ビジョンを明確にした 経営計画」を立てることが必要だとしています。
また、この際、金融機関や認定支援機関等の外部の専門家を活用することの重要性や、経営分析の共通のツールとしての「ロカベン」の作成などを取り上げています。
上記の「白書概要」で使っているデータを見る限り、この通りなのでしょうが、正直なところ、できる子とできない子を並べているような気がします。
ここから、どのようにしていくのか、今後始まる「伴走型」支援を得られるように、一歩前に出ていかなくては、取り残されていくのかもしれません。また、その際に、作成する経営計画通り成果を挙げない限り、地域金融機関も企業も、あるいは支援した認定支援機関等も大きな壁にぶつかってしまうのかもしれません。
また、「中小企業の成長には、海外進出による需要獲得や、環境分野など新たな需要の獲得も重要」としています。「環境分野への進出」「海外需要を獲得するためにはECの利用」などを取り上げています。
グリーン、SDG’sやAI・ItoTなどの製造業絡みの他に、海外ECなど、たしかに新たな市場に出ていくための自社の棚卸しと、覚悟を持って事業の転換に向けての実行力が問われます。やはり、小規模事業者は、地域密着。大きくなりたい中小企業者は、一歩前へという従来の「福祉」のような中小企業政策の転換なのかもしれません。