こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「経済界は新政権に何を望むのか」と題して解説いたします。今日は、「中小企業経営者代表 日本商工会議所1」です。
岸田新政権は、スタートして10日目解散総選挙をしました。自民党は絶対的安定多数である261議席を得て、11月10日には、第2次岸田政権が改めてスタートします。今週は、このような中、新政権の選挙結果を受けて、経済界が経済政策を含めて要望を出していますので、確認しておきたいと思います。
日本の中小企業を取りまとめているのは、日本商工会議所です。11月4日付で、『新たな経済対策に関する要望』を取りまとめて発表しています。この要望書では、改めて、従来の中小企業支援策の推進と、その支援の中心に「商工会議所」を据えるよう要求しています。日本商工会議所は、前の菅政権の政策スタンスには、違和感を覚えていたようで、いち早く「要望書」を提出したようです。
今日は、「Ⅰ.コロナ禍で困窮する事業者支援と日常生活回復への基盤整備」と「Ⅱ.中小企業の自己変革と地方再生への挑戦支援」についてお伝えします。
まず、「Ⅰ.コロナ禍で困窮する事業者支援と日常生活回復への基盤整備」ですが、従来の「給付金支給」を中心に、「事業継続への支援」と「支援の迅速化」、「資本性劣後ローン等」の「最大限の資金繰り支援」、「固定資産税の据置き」「延滞税の免除」などの金融、税制の要望を出しています。
次に、「雇用維持・賃金引上げへの支援」として、「雇用調整助成金の特例措置延長」と「最低賃金引上げへの支援」を、更に「ワクチン接種証明等…の売上確保支援」を要求しています。特に「飲食、宿泊、観光関連事業者の救済」のために「交際費課税特例の延長・拡充」「Go To イート制度の見直し」「Go Toトラベルの早期再開」「インバウンドの本格回復」などの支援を要望しています。
コロナ対策については、「感染防止と社会経済活動を高次元で両立する基盤整備」を掲げています。ブースター接種やワクチン証明書、治療薬や医療体制、検査体制などと共に、「水際対策の徹底の下、国際往来再開に向けた入国措置の緩和」を要望しています。
特に「わが国産業を支える外国人高度技術者や技能実習生等の入国措置の緩和」をあげています。今月からは、これらの試験的な対応が始まります。1日あたり3,500人の入国枠では、遅々として進まないと推測されます。他方、ヨーロッパの感染拡大が心配です。
さて、次の要望のテーマは、「Ⅱ.中小企業の自己変革と地方再生への挑戦支援」です。これらは、全て、日本商工会議所が中心となって中小企業支援を行うので、商工会議所の体制整備、強化に協力するよう、従来の主張をしておられます。
「事業再構築補助金の拡充と売上減少要件の撤廃」「商工会議所の経営相談体制強化」「スタートアップの創出・育成」「中小企業の研究開発や知的財産活用への支援強化」「IT専門家の派遣等の継続・拡充」「伴走型デジタル化支援の強化」等です。
「パートナーシップ構築宣言」や「下請けGメン」は、昨年度の継続ですし、「ワンストップ海外展開相談窓口の商工会議所等への設置支援」や「越境EC」も商工会議所の取り組みを支援するようにとの要望です。
「ポストコロナに向けた地方分散型・多核連携型社会の実現」として、「観光再生・農林水産資源の活用」や「老朽建築物のリノベーション・撤去支援」「農林水産業の…輸出拡大」。また、「地方分散型社会の実現に向けた取り組みの推進」や「多核連携型社会の実現に向けた社会資本整備の推進・地方都市の再生」などがあげられています。
そして、最後は、「東日本大震災からの復興・創生、福島再生に向けた支援の継続」と、まるで政府の従来の福祉的な経済政策の延長を要望しています。
本当にこれで、日本の経済は良くなるのでしょうか?中小企業は、商工会議所の組織する専門家によって再生され、新たな経済を拡大させ、税金をしっかり納める事のできる企業を育てることができるのでしょうか?この要望書を読んで、「そうだ、頑張ろう!」と思えないのは、既得権に守られたいろいろな仕事があるせいなのかもしれません。