こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「当面の規制改革の実施事項」と題して解説いたします。今日は、「地域産業活性化」です。
中小企業や個人事業者にとって、規制改革がどのように事業に影響するのかは、もう少し時間が必要でしょうが、確実にその検討が進みつつあります。さわりだけになりそうですが、共有しておきたいと思います。
「規制改革推進会議」は、12月22日に「実施事項」を発表しています。具体的には、「①共通の基盤となるデジタル改革とともに、②スタートアップ・イノベーション、③「人」への投資、④医療・介護・感染症対策、⑤地域産業活性化」です。
今日の課題である「地域産業活性化」ですが、特に、「農林水産の所得向上や成長産業化も含め、地域を支える観光等とともに、今後も精力的に規制・制度改革を進めていかなければならない分野である。」としています。
また、今後は、「個人事業主の事業承継手続の簡素化などを通じ、地方経済を担う中小企業の活性化・生産性の向上を推進する。」など、地方の担い手不足を支えなくてはなりません。
「規制改革の主な取組」(内閣府 規制改革推進室)では、「<林業の成長産業化に向けた改革の推進>高性能林業機械の導入促進」だけが取り上げられていますが、農林水産業等に関しては、従来の枠組みから抜け出すのは大変なことのようです。
全農と農林水産省の枠組み、国交省と農水省の壁など、補助金漬けになっている地方が、自力で元気になる経済力が必要です。もう少し、踏み込んだ改革を期待したいものです。
「当面の規制改革の実施事項」で取り上げられた内容は、以下のようなもので、これで本当に「地方産業の活性化」を真剣に考えているとは思えません。
- 農業用施設の建設に係る規制の見直し
- 農業者の成長段階に応じた資金調達の円滑化
- トラクターの公道走行に係る手続の簡素化
- <林業の成長産業化に向けた改革の推進>森林経営管理制度
- <林業の成長産業化に向けた改革の推進>国産材の利活用
- <林業の成長産業化に向けた改革の推進>高性能林業機械の導入促進
- 漁業協同組合における独占禁止法に違反する行為への対応
- 個人事業主の事業承継時の手続簡素化
農林チームの会合は4回に過ぎず、4回目は「非公表」となっており、「林業の成長産業化」の話と「トラクターを公道で走れるように」が「規制改革の実施事項」とするのは、農水省が、規制改革に協力しない?意思表示なのかもしれません。
しかし、内閣府で取りまとめると、各プロジェクトチームの出したものをまとめて出すしかないのかもしれません。
これからも、この縦割り行政では、「地方の活性化」や「地方の生産性向上」などの成果を上げるための取りまとめは難しいのかもしれません。逆に、地方自治体が政府を突き上げて、法制の改革や規制の排除を強く要望して、実現する必要があります。農政側には危機意識が薄いなのかもしれません。