こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
コロナ感染者が前週に比較して「増」となる日が2週間連続続いています。再び落ち着かない状況になってきています。
今週は、「経済秩序の激動期における経済産業政策の方向性」についてお伝えします。
今日は、「基本的視座」です。先週お伝えしたように、コモデティ価格が上昇し、世界でも日本でもインフレの様相が深まっており、金融当局も政策金利を上げるなどの対策に走っています。
ロシアのウクライナ侵攻という事態によって、世界は再び分断され、「歴史的岐路に立たされる国際経済秩序」という課題に直面しています。
上記のグラフは、FINANCIAL TIMES 2022年4月4日、クリス・ジャイルズ(ロンドン)が寄稿した「デグローバリゼーション:ロシアに対する反発は、開かれた貿易の低迷につながるのだろうか?~地政学的圧力は、自由化された貿易システムの断片化を脅かしています~」に掲げられているグラフです。
これを参照して、この報告書では、以下のように分析しています。
- 戦後、大国主導の貿易自由化によりグローバル化が進展し、経済が発展。
- 同時に、その恩恵を受けない人や国との格差、デジタル革新による富の偏在、重商主義・ 自国中心主義による分断が深まり、大国による一方的措置が多用され、既存の国際経済システムは十分機能しているとは言えない。
- このように秩序が揺らぐ状況でロシアがウクライナを侵略。西側先進国と権威主義国家との間の分断が一層深まる中で、国際経済秩序は歴史的岐路に立たされている。
上記のFINACIAL TIMESのレポートとはかけ離れた内容になっていて、違和感を禁じえません。経済のグローバリゼーションを「国際経済秩序」と呼んでいるのでしょうが、日本の立ち位置としては、2009年の金融危機に引き続いて発生しているグローバルな動きの「もたつき」のなかで、危機感を持っているのかも知れません。
欧米が生産者物価や消費者物価が伸長しているのにもかかわらず、日本だけが足踏みしています。
また、ウクライナ情勢を巡る各国の立ち位置を以下のように分析しています。
- G7を中心とした先進諸国が対露制裁を実施する中、多くの新興・途上国はロシア等にも配慮してバランスを取る姿勢を示している状況。
- その中で権威主義国家が影響力を拡大しているとの懸念もあり、我が国として新興・途上国との協力関係強化が鍵。
グローバリゼーションの中で、急速に発展している新興国にとって、体制や専制国であるかは大きな問題ではなく、自国のあるいは自分たちの政治グループの維持のために必要な軍事的、経済的な支援をしてくれて、できれば口を出さずにいてくれる存在が望ましいのだと思います。
また、「世界全体でのコモディティ価格の上昇」については以下のように分析しています。 すなわち、すべては「ウクライナ侵攻」ではなく、分析の通り、コロナ後の国際経済の回復とのアンバランスが生み出しているように見えます。
- コロナ禍における物流網の混乱
- 異常気象による食料の不作
- 脱炭素に向けた資源・エネルギー 需要の急激なシフト
- ロシアによるウクライナ侵略の影響を受けたサプライチェーンの需給バランスの歪みや一部途絶によりコモディティ価格が上昇。
- これまで経済安全保障のため確保に取り組んできた半導体・医薬品・レアアース等一部の物資にとどまらず、経済活動や生活に直結する幅広い物資の供給制約が課題となりつつある。
この報告書にも(参考)として添付されている「今後の国際経済秩序に関する識者の見解」を紹介します。