こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、実態として「消費者物価が上昇」していることを受けて、識者はどのように分析しているのかを、いくつかのレポートを取り上げて紹介いたします。
今日は、ニッセイ基礎研究所の「経済・金融フラッシュ2022.08.19」で経済研究部 経済調査部長 斎藤太郎先生の「消費者物価(全国 22 年 7 月)-上昇品目 の割合は 7 割を超える」を取り上げます。
「22 年 7 月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比2.4%(6月:同2.2%)…事前の市場予想通りの結果であった。」としたうえで、その理由は、「食料(生鮮食品を除く)の伸びが高まったことに加え、携帯電話機の値上げがコアCPIを押し上げた。」と分析しています。
「生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア CPI)は前年比 1.2%(6 月:同 1.0%)、生鮮食品が前年比 8.3%と高めの伸びが続いていることから、総合は前年比 2.6%(6 月:同 2.4%)と、コアCPIを上回る伸びが続いている。」としました。(下線 小堀)
すなわち、電気代、ガス代の伸びが鈍化し、ガソリン、灯油代が下がったが、「食料(生鮮食品を除く)は前年比 3.7%(6 月:同 3.2%)となり、上昇率は前月から 0.5 ポイント拡大した。」としています。
具体的には「原材料価格の高騰を受けて、食用油(前年 比 40.3%)、マヨネーズ(同 15.3%)、パン(同 11.2%)、麺類(同 10.7%)などが前年比二桁の高い伸びとなっているほか、菓子類(6 月: 前年比 4.0%→7 月:同 4.8%)、調理食品(6 月:前年比 4.3%→7 月:同 4.7%)なども前月から 伸びを高めた。」「さらに、一般外食は、…原材料費の大幅上昇を価格転嫁する動きが広がり、…上昇ペースが急加速している。」と報告しています。
また、「物価上昇品目の割合は 7 割を超える」とも指摘しています。消費者物価指数の調査対象 522 品目(生鮮食品を除く)のうち、7 月の上昇品目数は 376 品目、下落品目数は 101 品目で、「食料(生鮮食品を除く)の上昇品目割合は 8 割近くとなっている(5 月:73.7%→6 月: 77.1%→7 月:79.4%)。」として、「原材料価格の高騰 を販売価格に転嫁する動きはさらに広がっている」と指摘しています。
「コアCPI上昇ペース加速の主因は食料品(除く 生鮮食品)へと移っている。食料品(除く生鮮食品)の上昇率は直近 2 ヵ月で 1.0 ポイントの急拡大となり、7 月には前年比 3.7%となった。」とエネルギー価格から上昇の要因が食料品へ移動していると分析しています。
「川上段階の物価は、輸入物価が前年比で 30%程度、食料品の国内企業物価が前年比で 5%台の高い伸びとなっている。川上段階の物価上昇を消費者向けの販売価格に転嫁する動きがさらに広がることにより、食料品(生鮮食品を除く)の物価上昇率は、8 月には消費税率引き上げの影響を除くと、08 年 12 月(4.0%)以来の 4%台となる可能性が高い。」と3%台を超えていく見通しを示しています。
「コア CPI は、食料品の上昇ペースが一段と加速すること、円安に伴う輸入物価の上昇を受けて、日用品や衣料品など幅広い品目で価格転嫁の動きが広がることから、上昇率の拡大傾向が続く可能性が高い。」
「現時点では、携帯電話通信料の値下げの影響一巡、火災・地震保険料の引き上げが見込 まれる 22 年 10 月に 2.9%まで上昇率が高まると予想している。」と直近での予想を示しています。
以上のように、ニッセイ基礎研究所の斎藤部長は、食料品から始まった物価上昇が、円安による輸入物価の上昇と相まって、「上昇率の拡大」が続くとしています。いずれにしても、これからの変化は、貧困の拡大と貧富の差の拡大につながると予想されます。それは、国内でも、海外でも同様です。弱いところに、しわ寄せがいくのです。