こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
東京オリンピック・パラリンピックが何とか終了して、コロナを理由に出馬しなかった菅元総理の後を受けたのは、岸田首相でした。
今週は、その岸田首相の政権発足から1年を振り返るとしましたが、10月3日に臨時国会が始まりました。今日は、「臨時国会の所信表明を確認する」です。
9月29日、岸田首相は、記者会見で、経済対策は、1)物価高・円安への対応、2)構造的賃上げ、3)成長のための投資と改革の3つが重点分野になると説明しています。
10月2日現在、予想できるシナリオは、まずは、為替の円安と、エネルギー、の分野でも「物価対策」が重要です。すでに、企業の採算が悪くなりつつあるも、求人は下がっていないことから、「構造的賃上げ」の環境は整いつつあるのかもしれません。「新しい資本主義」実現のための重点投資と重なる「人への投資」、「GX投資」などが表明されるのかもしれません。
はたして、どんな「所信表明」になっていたのでしょうか。経済政策に絞り込んでみてみましょう。
まず経済政策では、「日本経済の再生が最優先の課題です」としたうえで、「新しい資本主義の旗印の下で、「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」の三つを、重点分野として取り組んでいきます。」と表明されました。
最初の「物価高・円安対応」については、
まず、「物価高」です。「食料品については、既に輸入小麦価格、配合飼料の負担を十月以降も据え置く」とし、エネルギーについては、「これから来年春にかけての大きな課題は、急激な値上がりのリスクがある電力料金、…前例のない、思い切った対策を講じます。」とも表明しています。
さらには、「エネルギー・食料品について、危機に強い経済構造への転換に取り組みます。」と経済安全保障の枠組みついても触れられました。
次に「円安対応」です。円安のデメリットの対応と併せ、「円安のメリットを最大限引き出して、国民に還元する政策対応を力強く進めます。」とし、「インバウンド観光を復活させ、訪日外国人旅行消費額の年間五兆円超の達成を目指します」とし、国内では、「全国旅行支援やイベント支援も再開し、コロナ禍からの需要回復、地域活性化を図ります」と表明されました。
また、「円安メリットを活かした経済構造の強靱(きょうじん)化」として、「半導体や蓄電池の工場立地、企業の国内回帰」、「農林水産物の輸出拡大」をあげています。
二つ目の「構造的な賃上げ」については、
「なぜ、日本では、長年にわたり、大きな賃上げが実現しないのか」と問いかけたうえで、「賃上げが、…企業の生産性を向上させ、更なる賃上げを生むという好循環が、機能していない」として、これらは、「構造的な問題」という位置づけをされました。
「好循環は加速」していくために、「賃上げ、労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を進めます」と表明されました。
物価高が進み、賃上げが喫緊の課題となっている今こそ、正面から、果断に、この積年の大問題に挑み、「構造的な賃上げ」の実現を目指します。
「官民が連携して、現下の物価上昇に見合う賃上げの実現に取り組み」、「成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備」、「企業間、産業間での労働移動円滑化」を進めるとしました。
「特に、個人のリスキリングに対する公的支援については、人への投資策を、「五年間で一兆円」のパッケージに拡充」するとしました。「また、中小企業における賃上げに向け、生産性向上とともに、公正取引委員会等の執行体制を強化し、価格転嫁を強力に進めます。」と中小企業の賃上げと価格転嫁についても触れられました。
三つめは、「成長のための投資と改革」につてです。
そして、「成長のための投資と改革」です。
社会課題を成長のエンジンへと転換し、持続的な成長を実現させる。
- 科学技術・イノベーション
- 国家戦略・国家目標の策定
- 量子・AI・バイオなどの分野
- 文理の枠を超えて行う、成長分野への大学等の学部再編促進
- 若手研究者の育成に向けた支援強化
- 処遇見直しを通じた教職員の質の向上
- 国家戦略・国家目標の策定
- スタートアップ
- 日本ならではの技術を用いた最先端のバイオものづくり
- IT技術を活用しながらの地域課題の解決
- 東南アジアでの積極的な事業展開
- 福島の地でのロボットの遠隔操作技術の開発。
- グリーン・トランスフォーメーション、GXへの投資
- 年末に向け、…「GX推進のためのロードマップ」の検討を加速
- 成長志向型カーボンプライシング
- 規制制度一体型の大胆な資金支援
- トランジション・ファイナンス、アジア・ゼロエミッション共同体
- 年末に向け、…「GX推進のためのロードマップ」の検討を加速
- デジタル・トランスフォーメーション、DXへの投資
- マイナンバーカードについて、健康保険証との一体化
- 地域でのデジタル技術の社会実装を重点的に支援
- メタバース、NFTを活用したWeb3.0サービスの利用拡大に向けた取組
- 半導体は、今後特に力を入れていく分野…十年間で十兆円増が必要とも言われるこの分野に、官民の投資を集めていきます。
- 日米共同での次世代半導体の技術開発・量産化や、Beyond5Gの研究開発など、最先端の技術開発強化を進めます。
- 規制改革にも取り組みます。二年で、アナログ的規制を一掃し、新産業の創出、人手不足の解消、生産性の向上や所得の増大につなげます。
ただただ、羅列しただけですが、どうも、従来の経済政策、特に「中小企業政策」については読みにくい所信表明であったと思います。
コロナから再度立ち上がり、災害から復興に向けて動き出そうとする中小企業・小規模事業者については、どこかで「新しい資本主義」のなかで、成長分野を目指して「事業再構築」し、ダメな場合は、「廃業」の上、再スタートをしてほしいとの意向に見えます。
古い「中小企業保護」や「中小企業社会保障:」を止め、世界に羽ばたく「スモール美人セスになってほしい」との意向に見えます。かつての国内農業分野が、すでに1兆円の輸出企業がいる時代となり、さらに5兆円輸出の産業に生まれ変わろうとしています。中小企業者も、イギリスやドイツを参考に世界に羽ばたき、世界の人脈を生かしていくならば、日本も国際的に通用する国づくりができるのかもしれません。