認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
コロナ借換保証については、1月10日スタートということもあって多くの方々が解説していますが、経営者保証に関しては、思ったほど説明されていないので、今週は、このことを取り上げます。
昨年11月上旬に、このブログでは、「金融機関の監督指針の改定(経営者保証の取扱いの変更)」で取り上げましたが、正直、金融機関側が従来の慣習から抜け出すには、ハードルが高い政策転換です。この改革プログラムのパブリックコメントでは、膨大の量の質問がありました。
さて、本日は、当初の経営者保証改革プログラムの内容を再確認します。
経済産業省のHPでは、「経営者保証に依存しない融資慣行の確立を更に加速させるため、金融庁・財務省とも連携の下、①スタートアップ・創業、②民間金融機関による融資、③信用保証付融資、④中小企業のガバナンス、の4分野に重点的に取り組む「経営者保証改革プログラム」を策定しました。」と紹介されています。
すなわち、なかなか起業者が伸びず、欧米とのイノベーションやユニコーンの格差が広がっているのは、「経営者保証」ではないか、事業承継の旗を振っているが、さっぱり進まず、廃業が多くなり続けているのは、「経営者保証」が問題でないか、政府の機関でもある信用保証協会も民間と同様に「経営者保証」をつけて、結果的に後始末に奔走している。どう練っているのか?という課題を解決するために必要な政策転換だと言えます。
- スタートアップ・創業
「創業時の融資において経営者保証を求める慣行が創業意欲の阻害要因となっている可能性を踏まえ、起業家が経営者保証を提供せず資金調達が可能となるよう、経営者保証を徴求しないスタートアップ・創業融資を促進します。」とし、特に政府系金融機関の姿勢を明確にしました。
2.民間金融機関による融資
「保証を徴求する際の手続きを厳格化することで、安易な個人保証に依存した融資を抑制するとともに、事業者・保証人の納得感を向上させるため、監督指針を改正します。」とし、民間の金融機関の監督をする金融庁との調整で、そのあり方を変更しました。
3.信用保証付融資
「信用保証制度において、経営者の取組次第で達成可能な要件を充足すれば、保証料の上乗せ負担等により経営者保証の解除を選択できる制度を創設します。」として、従来の保証協会付き融資そのものをやめる方向を強く打ち出しました。
4.中小企業のガバナンス
そこで、課題となるのは、中小企業側の姿勢です。「経営者保証解除の前提となるガバナンスに関する中小企業経営者と支援機関の目線合わせを図るとともに、支援機関向けの実務指針の策定や、中小企業活性化協議会の機能強化を行い、官民による支援態勢を構築します。」としています。
すでに、「収益力改善支援中小企業に関する実務指針」が「中小企業収益力改善支援研究会(神戸大学 家森教授 座長)」によって2022年12月に発表されており、その巻末に別添として、以下のチェックリストが添付されています。この内容に沿って、経営者と支援者がガバナンスを確認して、収益力を上げていくことが期待されています。
- 経営者のための経営状況自己チェックリスト
- 支援者による経営状況チェックリスト
- ガバナンス体制の整備に関するチェックシート