認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は。「収益力改善支援に関する実務指針」(以下「実務指針」という)を深読みできればと思います。1週間、5本のブログでは少し難しいかもしれません。半分くらいは紹介したいです。
本日は、すでにある「ローカルベンチマーク」や「経営デザインシート」等を活用や、「よろず支援拠点等」の活用」などに触れます。
「支援者による相談対応」として、「経営者との対話と傾聴」を最初に挙げ、「対話と傾聴を基本姿勢として、信頼関係を醸成していくことが望ましい」としています。「経営者との共通の目線を持つためには、現地訪問等による対面での対話」、「電話等のオンラインによる対話」が必要とアドバイスしています。
支援者は、「経営者の話をしっかりと聞き(傾聴)」し、「経営者自らの想いを整理・具現化していく中で」、「信頼感を十分に得る」、「経営者自らの気づきに基づいて、動機付けしていくことが重要である。」としています。
「長期的なビジョンが必要であり、対話と傾聴を通して、経営者が思い描く「ありたい姿」や「将来像」を明確にし、その実現に向けた本質的な課題の抽出や中長期的視点での取組も」、「…具体的に検討していくことが有用」と気づきから、中長期計画の作成に導くように指導されています。
ここでは、経営デザインシート(平成30年5月 内閣府知的財産戦略本部)の活用を勧めています。「将来構想(目指す方向性)を見える化し、ビジョンやコンセプトの共有やコミュニケーションツールとして活用することも有用」としています。
(参照URL: https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html)
その前に、「事業の理解」をするために、「ローカルベンチマーク」の活用を勧めています。ここでは、「経営者と支援者は、事業者の現状(経営者、事業、取り巻く環境・関係者、内部管理体制)について、相互に理解・共有していく必要がある。」としています。
《参考:ローカルベンチマークにおける4つの視点》 参照URL::https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/sheet.html
この様式では、まず、「経営者と対話しながら、ビジネスモデル俯瞰図を作成し、事業の全体像を把握する」ことから始まります。同時に、以下のような定性的な内容を拾って、共有化するように勧めています。このヒアリングによって信頼関係が醸成できるものと思われます。
○経営者 …経営理念・ビジョン、後継者の育成状況 等
○事業 …事業者の強み・弱み、事業の仕組み、企業価値の源泉 等
○事業者を取り巻く環境・関係者 …市場環境、競合他社、ステークホルダー(取引先、 金融機関他)等
○内部管理体制…組織体制、研究開発・商品開発の体制、人材育成等
また、定量的な数値も、業界平均値などの比較ができて、全体像に近づくことができます。かつて、私、小堀が作製した時は、さらに、経営者の人となりなどをお聞きして、経営者の実態を定性面から補強することで、「経営者と目線を合わせ」に活用できたと思っています。
なお、「他の支援者等との連携検討」として、「その際、メイン金融機関をハブとして、必要な連携先を検討していくことも有用」としています。「また、迅速かつ円滑な取組につなげていくため、連携する支援者等とは、なるべく早い段階(具体的な計画策定前等)から、情報共有や意見交換を行うことも有用である。」と指摘しています。
また、「適切な連携先が判断しづらい場合」は、「商工会議所・商工会や中小企業団体中央会、中小企業活性化協議会、よろず支援拠点等(中小企業支援機関(※1))に相談することも効果的である。」としています。
特に、内容が色々あって、適切な連携先を見出しづらい場合は、ワンストップ相談窓口としての「よろず支援拠点」に相談し、専門家からの助言、…外部専門家等に橋渡し…」してもらうことを勧めています。
さらに、「中小企業活性化協議会」「信用保証協会の専門家派遣事業との連携」や、場合によっては、中小企業庁が実施している「中小企業119」等を活用し、専門家に事業現場に赴いてもらい、助言等を受けることも有用であるとしています。
「また、支援者と中小企業支援機関は、相談案件の発生時に限らず、信頼関係の構築や共通の目線の醸成等に向け、日頃から互いに情報共有や連携を密に行うことが望ましい。」ともしています。
全くその通り、言いたいところですが、仕組みはできているものの、実際の使い勝手や、例えば「中小企業活性化協議会」「よろず支援拠点」に配置されている人材の量的な体制だけを見ても、正直、そんな簡単にはいきません。
中小企業経営者も、まず、自分で経営を改善し、金融機関に「経営者保証のいらない融資」をお願いできるようにしなくてはなりません。士業者も含めて、この「ポストコロナ」の中で頑張る中小企業をしっかりと応援して、経営改善していただき、早期に元気な日本を取り戻したいものです。