認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は、それを受けて、最新の中小企業の実態はどうなっているのかを「中小企業景況調査」等の調査結果を確認しながら、実態を理解していきたいと思います。
今日は、全国中小企業団体連合会の『1月の中小企業月次景況調査(2023.02.27)』を取り上げます。昨日の景況調査よりも1カ月前の調査です。
「本調査は、都道府県中央会に設置されている情報連絡員〔中 小企業の組合(協同組合、商工組合等)の役職員約2,600 名に委嘱〕による調査結果です。 調査の対象は、情報連絡員が所属する組合の組合員の全体的な景況(前年同月比)です。」
まず全体像ですが、「1月のDIは全指標が前月比低下」としています。
「行動制限がない年始やインバウンドを始めとする人流の回復等により経済活動が正常化に向かう一方、エネルギー・原材料価格の高騰と価格転嫁の遅延、半導体等の部品不足・人手不足による納期遅延の悪影響は続いており、1月中旬以降の寒波の影響も加わり、全指標が前月比低下した。」
「度重なる原材料・資材の高騰に加え、春以降の電力料金の更なる上昇は、事業者の景況感に深刻な影響を与えている。」「先行きは、感染状況や来年度以降の業況が見通せず、不透明な状況が続いている。」と総括しています。
地域別では、以下のような状況です。北海道・東北、東海・北陸、四国が、景況が回復していません。地域の経済活力が回復していないのです。
次に、「1月の調査結果のDI概況 【指標DIの動向とポイント】」を説明しています。
- 1月のDIは、全指標が低下した。主要3指標は、景況が3.7ポイント低下、売上高が6.0ポイント低下、収益状況が4.0ポイント低下した。
地域別には、それぞれの指標で違いがあるようです。
売上高DIでは、北海道・東北、近畿、中国が全国値よりも悪いようです。また、収益DIでは、北海道・東北、中国、四国が全国平均を下回っています。
2. 主要3指標以外では、設備操業度のDIが5.9ポイント低下した。
3. インバウンドを始めとする人流回復等のプラス要素はあるものの、長引くコロナ禍、エネルギー・原材料価格の高騰、価格転嫁の遅れ、人材不足といった先行き不透明な状況に加え、1月の寒波の影響もあり、事業者の景況感は軒並み低下した。
また、【情報連絡員報告から総括する景況調査のPOINT】は、以下の通りです。
1. 電力・ガス等エネルギー価格の高騰による収益悪化・先行き不透明感に苦慮しているコメントが引き続き数多く寄せられている。
2. 建設業や製造業における外国人労働者等の人手不足等、コロナ禍や後継者不在による廃業等に関する報告も引き続き数多く報告されている。
3. コロナ禍を契機としたwithコロナ等に向けた取組み、インボイス制度に関する声も引き続き寄せられている。
こうしてみると、日本の中小企業、特に小企業が、コロナ後に向けて始動したくても、環境が悪化していて、動きが取れない状況の様に見えます。今後、ますますその様相がはっきりしてくるのかもしれません。小企業が淘汰され、足腰がしっかりした企業が生き残る、あるいは、新たなことに挑戦する企業が伸びていくのだと思います。
だとすれば、これからは、事業承継をあきらめ廃業したり、倒産したり企業が大幅に増えそうな予感がします。事業再生が可能なのかどうかを含め、まさに「伴走」する人材や組織が必要になりそうです。公的機関も、地域金融機関もまだその準備ができていない気がします。