認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
リクルートワークス研究所(以下RW研と表示する)は、このレポートで、「労働供給制約社会がくる」と今の生活が普通に維持できなくなる危険性を訴えています。「同時にソリューションも提言する」として4つの解決策を提言しています。
今日は、表題にある「4つの解決策 1徹底的な機械化・自動化」です。
「少子高齢化による労働供給制約は今後ますます深刻化する」とした上で、「今後は、人でなければできない仕事がどのようなものなのかも考えていかなければならない…」「労働供給制約社会を迎える日本においては、むしろ急速に徹底した仕事の自動化をしていかなければ、生活維持サービスが提供されなくなる事態に陥ってしまうだろう。」と予測しています。すなわち、「ビジネス面だけでなく、私たちの生活にとって解決せねばならない課題である。」としています。
「自動化の進捗によって、未来の日本経済の姿はガラッと変わる」だろう。長時間労働から人を解放する…「自動化によって、きつい仕事をロボットに任せることができれば、労働者の身体的な負荷も下がる。」「…高齢化が進む建設作業員の人手不足の緩和にもつながる。」「仕事が機械化・自動化することによって、…人は本来必要とされる業務に集中することができる。」
結果的に、その仕事、業務の本来の目的を満足させる「人でなければできない仕事」に特化できると解説しています。長時間の仕事、くたびれる重労働は、機械に、あるいは自動化によってとってかわっていただくということです。
まさに、デジタルやAIの活躍が期待される分野です。6つの職種について解決の方向性を示していますので、ここでも簡単に紹介します。
【 運 輸 】
来年度(2024年度)から、新東名の一部区間で自動運転レベル4の実用実験が決まったようですが、この絵にあるようにハンズフリーの運転が始まりそうです。離島や山間部のドローンによる配達や大規模マンションやビル内のロバッと配達、物流拠点の倉庫内の自動化やロボットによる置き換えは、加速度的に進み、「2040年には、現在業務の6~7割が自動化している」との予想をされています。
【 建 設 】
土木工事の土工のような「cm単位」の工事は、一人のオペレーターで複数台の重機を、操作し、建築工事では、資材や道具を運ぶ搬送ロボットが、夜間に段取りをして、高所作業や危険作業をロボットが人に代わって作業をしているとしています。
私も建設業にいたことがありますので、もっともっと可能性があることを期待しています。ただし、「mm単位」の施工を担う職種である、塗装、溶接、外装などでは、将来的にも完全自動化は難しいとされているようです。問題は、その品質を管理できる人材の持つ感覚をAIにどう学習させるのかかもしれません。
【 介 護 】
介護には、いくつもの業務があるようですが、その関節作業のデジタル化やロボットによる直接介助の支援などが進むことによって、「介護職員の本質的な業務として最後に残るのは、利用者とのコミュニケーションの部分。業務の自動化によって生まれた時間的なゆとりが、利用者の日々の生活に関するコミュニケーションを増やし、一人ひとりと向き合う介護が実現する。」としています。
【 医 療 】
医療の中では、医者と看護師等の善意に支えられてきたことは、今回のコロナ禍でよくわかったことだが、同時に、潜在的な看護師経験者が多くいるにもかかわらず、発掘が十分できなかったことは、看護師の働く環境の劣悪さにあったように見受けられます。「業務を効率化していくことで、看護師が患者のそばを離れる時間を最小化することが可能になる。看護師の役割は大きく「療養上の世話」と「診療の補助」と法定義されており、将来的には医療従事者と患者との接点が増加することで、全身状態の観察や評価を行う時間が増え、患者の細かな変化や要望に対応したより高い質の医療を提供していくだろう。」としています。
【 販 売 】
ここでは、「販売員の基本的な業務は、レジ業務、商品の陳列や補充に関する業務、そのほか管理業務」の中で、レジ業務や商品陳列・補充業務を取り上げて、すべてをロボットに代替することは難しいが、コンビニなどでは進んでいることを報告している。確かに、大手の販売店での実証は進んでいるようです。
町中の販売店が、自動販売機になってしまうのではと思うことがあります。
【 接 客 】
最後は、飲食・接客業です。「飲食・宿泊業における接客職のタスクには受付や決済、管理業務、接客・配下膳・客室サービスに関する業務、調理に関する業務がある。」とした上で、多くの場面での二極化、すなわちロボットによるサービスと、人によるサービスです。「人が多く介在するサービスは必然的に高付加価値なサービスとなる。サービス水準を高めるため、働く人の休日の少なさや賃金水準の低さなど環境改善も進んでいくはずだ。」と。考え方によっては、選択肢が広がり、色々な「接客」によって価格が大きく変化することになりそうです。ロボットの進化が期待されます。
デジタルとAIの進展は、加速度的ですが、その設計と実証を進め、世の中にデビューさせるには、民間の努力が必要です。同時に、色々な規制を取り払い、新たな国づくりを志向する官民の協力も不可欠です。
このレポートのインパクトは、これからの少子化対策ではなく、目の前で進んでいる労働人口の急減を、デジタルや機械化によって置き換えられなければ、色々な市場で混乱が発生することを伝えています。
もしかしたら、中小零細企業が市場からいなくなってしまうのかもしれません。大きな痛みを抱えながら乗り越える必要があるのかもしれません。