こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、日本政策金融公庫総合研究所が取りまとめた『急成長のメカニズムー新規開業企業に学ぶー』(同友館 2019.7.12)という本を参考にしてお伝えしています。
昨日は、開業後の企業のどの企業もが直面している課題は、「顧客開拓・マーケティング」であることをお伝えしました。
それでは今日の話題です。
「開業したてのあなたと経営課題 資金関係の経営課題」です。
政府は、成長戦略のために、既存企業の事業承継、新規企業の総合支援を厚くしてきました。特に、金融庁は、「共通ベンチマーク(金融機関のすべてがその計画実績を報告すべき事項)」の中に、「創業者支援」を盛り込んでおり、金融機関での取り組み姿勢は、今までの様相とは変わりつつあります。
この本の中でも、「資金繰りが厳しい」「金融機関からの借入れが難しい」と答えた企業は減っております。また、借入残高は、急成長企業、成長企業は大きく増加しているに比べ、縮小企業や現状維持企業はその借入残高を減らしています。
ここには、成長企業には、金融機関も積極的に貸し込んでいる様子が伺えます。日本公庫が、最初の創業時にリスクを犯して貸し出し、その後、民間の金融機関が企業の成長に伴い、追加の資金需要に応えている構図が見えてきます。
すなわち、創業者に対する融資は、多くは日本公庫が担い、制度融資等で自治体が利子補充をしたり、保証料の一部免除をしたりすることで、地元の信用金庫等が実行してきました。今後は、地元金融機関もしっかりとリスクを取って、プロパー融資をしてもらいたいものです。
日本公庫も保証協会も税金を原資とする政府関与になりますので、倒産等返済不能になると、サービサー等へ債権譲渡をすることなく、どこまでも返済をお願いすることになります。私見ですが、これが起業の失敗を人生の失敗に、二度と復活できない起業者を生み出している気がしています。
できれば、民間が自分の責任で貸し出す能力を身に着け、融資を拡大することで金融業界に元気やその「あるべき姿」を見出していただきたいと思っています。政府系の融資枠をイザというときの「最後の砦」として残しておくような制度のほうが良いような気がしています。
ここに来て、日本公庫においては、国民金融事業の1件当たりの融資額が下がるとともに、返済が難しくなっている事例も多く、採算が低下していることが心配です。今後は、民業側がリスクを取って、前にでる必要がありそうです。期待しています。
政府は、人口が減り、中小企業・小規模事業者が減ることの無いよう事業承継にも、創業者の支援にも取り組み続けることでしょうから、資金を手に入れることは可能でしょう。しかし、そのお金は他人様のお金です。しっかり儲けてお返しし、さらに成長発展させるための体力を付けていきましょう。お手伝いします。