こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、日本政策金融公庫総合研究所が取りまとめた『急成長のメカニズムー新規開業企業に学ぶー』(同友館 2019.7.12)という本を参考にしてお伝えしています。
昨日は、外部の専門家が成長、成功するパターンに乗せるまで、未熟な、よちよち歩きの経営者を支え、手を引き、安全なところまで誘導させるという話をしました。
それでは今日の話題です。
「開業したてのあなたと経営課題 外部専門家を活用する」です。
この本のアンケートの中では、「外部からの支援を受けたかったが、受けられなかった割合」という項目があります。
開業前の多い順では、①販売先、顧客の確保、②法律や会計の知識の習得、さらには③市場、事業所立地の調査・検討が上がっています。
これを見る限り、市場調査や立地調査の調査検討がされていないために、販売先や顧客が見えていない、あるいは絞り込まれていないのかもしれません。このような項目の支援を受けられない状態で、手探りで経営をスタートしているのではないでしょうか?
確かに、弁護士や司法書士、行政書士がいて法律関係を、税理士や会計士がいて会計関係を「顧問」として支援してくれるかもしれません。しかし、この種の専門家である中小企業診断士や経営コンサルタントが、創業者向けに対応しているのは「創業セミナー」や「起業塾」のようなところだけで、個別に対応されているところは少ないのかもしれません。
また、4年目に当たる2015年になると、①従業員の確保という今日的な課題に直面し、特に急成長起業は、外部からの支援が十分でなかったことを訴えています。また、②法律会計などの知識の習得、③総合的なマネジメントなどに支援のメニューが少ないとのアンケート結果になっています。
重要なのは、経営者自身が何を分かっているのか、何が分かっていないのかです。確かに、個人事業のような組織では、すべてが経営者の手腕と判断にかかりますが、どなたも万能ではありません。したがって、色々な形で専門家を活用し、自らが判断できる範囲を広げ、その決定を早く出来るようにならなくてはなりません。
もちろん、お金がかかる話ではありますが、創業段階でまず、自治体や商工会議所、保証協会等が主催する「創業セミナー」「起業塾」を必ず活用することです。この事業を国は支援しており、各専門家や認定支援機関のような支援事業者をネットしています。
開業後は、月初に月次決算を出来るようになることを目標にしていただきたいです。これはなかなか一人ではできません。専門家を活用してください。
前月の売上高、利益額、利益率の確認し、なぜうまく行かなかったのか、その理由はなぜか、今月はどの数字を目標にするのか、それを実現するために何をするのか、前月不足分をどのようにして補填するのか経営者が試算表から手書きで写して表を作り、なぜこうなったか考え、改善策を声に出して約束し、紙に書くことをお勧めします。
毎月の作業は忙しさを理由に実施されないことが出ないように、外部の専門家に頼んで立ち会っていただくか、その反省会をリードする役割を担ってもらってください。経営者はいつも大変なのですが、その横で伴走する支援者が必要なのです。
これが、今の段階での一番の解決策です。役に立ってくれるパートナーであるかの判別は難しいでしょう。本当に利益に貢献したかを検証できるにはしばらく時間も必要です。
支援する側の私達にとっても、創業者の支援は危なっかしくて、お金がなくって、心配のタネであるのは一緒です。