こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、連休もあり、23、24、25日の3日間「令和2事務年度 金融行政方針」についてお伝えします。今日は、「コロナと戦い、コロナ後の新しい社会を築く」です。その前半の「コロナと戦い」の部分を説明します。
「金融行政方針」は、8月31日に出ていたのですが、「経済財政運営の基本方針2020」のほうが先だと思い、中断せずに説明して来ました。融資コンサルタントとしては、金融庁の大きな行政方針は大切で、気になる部分については、皆さんにも共有して頂いたほうが良いと思っています。
7月に、金融庁長官が替わったことはすでにお伝えしました。新長官は、国際派の氷見野良三さんです。前職は金融国際審議官です。前任の遠藤長官は、政府系金融機関や地域金融機関の改革、地銀の再編に力を注ぎましたが、今後は、長官が地域金融機関について、自ら引っ張っていく体制とは違うようです。
さて、本論ですが、令和2事務年度お金融行政方針の第一として取り上げられたのが「コロナと戦い、コロナ後の新しい社会を築く」です。
「第一に、新型コロナウイルス感染症への対応に取り組む。金融機関が金融仲介機能を 発揮して、企業や家計をしっかり支えられるよう、行政としても万全を期す。あわせて、コロ ナ後の経済の力強い回復と新しい社会の建設に備えられるよう目配りしながら、対応を進 める。」
確かに、金融庁の動きは素早かったと思います。2月末には「金融庁相談ダイヤル」を作り、その1週間後の3月6日には、「麻生財務大臣兼金融担当大臣談話」が出されました。私は、この談話を聞きながら、「リーマンショックからの負の遺産をやっと抜け出すはずだった」のに残念だと思ったのを思い出します。
金融機関の現場は、「モニタリング」があるので、事業者の申請には素早く反応したと思います。3月、4月は、日本政策金融公庫などの政府系金融機関への融資の紹介をしていき、4月7日には、再び麻生大臣談話で「緊急事態宣言を踏まえた」色々な対応をすることが明言されました。
また、弱い貧困者には、「生活福祉資金の貸付」を社会福祉協議会だけでなく、労働金庫が実施するなど緊急処置がされました。急な倒産を避けるため、手形・小切手の取り扱い市場のも配慮を求めるなどの手配をしました。
4月の中旬以降は、日本公庫に長蛇の列が出来はじめ、処理能力を超えていると判断したら、5月の連休明けには、民間にも実質無利子・無担保の資金を出せるように配慮されました。
従来の「災害は政府系」の枠を超えて、既存の金融機関が動き出すことで、資金の動きが多少早くなり、保証協会なども汗をかいて(保証協会100%保証のため)、資金需要による混乱はなくなりました。
その後、家賃の話や、資本制ローンの話、個人の住宅ローンの条件変更など、6月上旬までには、その施策を出し切られたのだと思います。
ここから先は、With CORONAの中で、「本当に今までの単価で、半分の稼働率で商売が成り立つのか?」と考え、After CORONAで、色々な消費や設備投資等が戻ってくるのか、今まで以上の活況を呈することにならなければ、この凹みを補填できないという事実です。
これに対し、金融庁は、膨大に膨れ上がった融資残高と、リスケを継続する事業者との間で、どのような指導をするのでしょうか?末端の金融機関の営業の方々は、すでにモラルハザードを起こしかねない状況です。これまでの金融庁の動きと、これからの動きに注目して、施策を確認できたら発信します。