認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は。「収益力改善支援に関する実務指針」(以下「実務指針」という)を深読みできればと思います。1週間、5本のブログでは少し難しいかもしれません。半分くらいは紹介したいです。
本日は、収益力改善支援の実務から一度離れて、その前に対応すべき「ガバナンス体制の整備支援の実務と着眼点」についてお伝えします。いわゆる「計画策定支援」は、別途、後日整理して取り上げます。
最初に「支援にあたっての考え方」を提示されていますが、基本は、経営の透明性、情報開示、情報の正確性、事業資産と経営者資産・家計との分別・管理、できれば「内部管理体制」の構築です。もちろん、今後、改善計画の策定と進捗管理の中でも、その実態、取り組み状況の報告が必要です。
次に、「計画策定支援」ですが、その前に、「現状把握」が必要です。「チェックシート」での管理を勧めています。
「経営者から説明を受け、各種財務諸表等の資料を閲覧する。…経営者の資質(誠実さ、経営努力、計画性等)を理解することで現状を把握する。この際、経営者が思い描く「ありたい姿」や「将来像」を確認し、…支援者はこれらに留意して支援する必要がある」としています。その着眼点は以下のとおりです。
最初の視点は、「経営の透明性確保」です。
- 取引金融機関等への情報開示や経営者とのコミュニケーション
- 情報開示等の内容の正確性
次の大きな視点は「事業者と経営者の資産等の分別管理」です。
- 資産所有等の区分・分離ができているか
- 事業者と経営者の資金のやり取りはないか、資金流用がないか
- 役員報酬について、「経営者が自らの報酬を減額を行う方針にあるか
さらに、将来は、「内部管理体制の構築」をして、品質管理・情報管理体制を整え、事業計画・経営計画を従業員と共有し、さらには事業継続計画(BCP)を一緒に構築できる会社を目指しているのかを確認するとしています。
現状把握の中で確認できた「課題」を明確にしたうえで、「事業者のガバナンス体制の整備に向けて対応すべき課題を明確化する」としています。「経営者自身が納得した取組を自らの意思で行うことが重要」です。
このため、経営者と支援者は、なるべく多くの情報を共有した上で、経営者にとっての本質的な課題解決に向けて、ガバナンス体制の整備の目的を明確にしていくことも重要であるとしています。
課題の明確化を受けて、「対応策の検討と事業者へのアドバイス」が必要となりますが、まず、「効果的かつ実行性の高い解決策を検討」、また、「計画の実施中に、経営者等と支援者との意見交換を通じてガバナンス体制の整備状況を把握」。さらには。「経営者が課題解決に向けて自らの意思で取り組むよう動機付けすることが重要である。」としています。