こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、6月17日に発表された日銀の「当面の金融政策運営」を取り上げます。
今日は、6月17日の「政策決定の内容」です。いつもマスコミ報道で耳にしている内容ですが、文書として出されたものを紹介しながら、今後の金融政策の展開を理解したいと思います。
まず、今回の金融政策会議で確認されたことは、「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成8反対1)」と、伸さん買入れ方針(全員一致)が決められました。
長短金利操作(イールドカーブ・コントロール ECC)は、以下のように決まりました。
- 短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
- 長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要 な金額の長期国債の買入れを行う。
- 連続指値オペの運用
上記の金融市場調節方針を実現するため、10 年物国債金利について 0.25% の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する。
野村総合研究所の木内氏は、NRIのコラム「木内登英のGlobal Economy & Policy Insight」「日銀の長期国債利回りの厳格なコントロールは限界に近いか」において「米国の利上げ加速観測が強まる中、日本の国債市場が混乱に陥っている。米国の長期国債利回り上昇の影響から、日本銀行は10年国債の利回りを、変動レンジの上限である0.25%以下にとどめることが難しくなってきている。」と指摘しています。
「指値オペで10年国債の利回りを力づくで、抑え込む中、10年以下の国債利回りとの間に逆転現象もみられている。現状では、7年から10年は逆イールドとなっている。」とも。今のままでは、「日本銀行が取引全時間で、国債無制限買い入れの指値オペを随時実施しない限り、10年国債利回りを上限の0.25%以下に常に抑えることは難しくなった。…7月から11月の決定会合あるいは臨時会合で、日本銀行はイールドカーブ・コントロールの見直しに追い込まれる可能性」があると断じています。
確かに、現在の急激な円安は多くの物価高の要因となり、インフレが進むことになります。しかし、その幅とスピードが欧米並みになった場合は、目の前に参議院選挙を控え、物価高や政府の無策を突き上げられたら、自民党も圧力となり、日銀自身も放っておくことは難しくなると思われるとの判断だと思われます。
また、(長期国債以外の)資産買入れ方針(全員一致)は、以下の通りです。
- ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う。
- CP等、社債等については、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、 買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社債等:約3兆円) へと徐々に戻していく。
ETFは、“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。これまで、グラフのように買いまして来ていますが、他方で、ここ1年余、その政策の見直しがされているようですが、表面上は、上記のように政策の変更行われていません。今後は、どのようにこの残高を整理していくのでしょうか?
なお、5項目目では、「日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。」とその政策の継続を宣言しています。
また、「当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。」この内容も変更はありません。