こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「成長戦略会議」とデービット・アトキンソン 『日本企業の勝算』を読む」です。今日は、「その3 中小企業保護、中小企業優遇策が成長を阻害している」です。
アトキンソンさんのこの本の第4章の目次は、「「中小企業を守る」政策が日本企業の首を絞めている」です。
この章では、アメリカとEUの各国との比較を通じて、分析している。かつて、私が中小企業を勉強していた頃は、アメリカでも「Small Business」がもてはやされていましたし、2000年頃は、零細企業が90%に及び、大企業は0.3%程度であったと記憶しています。しかし、その中でも、大企業に働く従業員が労働人口のざっと50%であったことも理解しがたいことでした。
EUは、日本と同じように、中小零細企業が多く、従業員も圧倒的に中小零細企業によって雇用されています。確かに、中小企業が雇用を支えてきたのだと思いますが、これからは、その質を上げる必要があります。
フランスの零細企業保護(50人ルール)は、企業拡大を阻害していると指摘し、スペインの中小企業保護政策(法人税率30%OFF、50人以上の規制)が、零細企業にとどまる選択をしている説明している。同様なことは、イタリヤ(15人)やポルトガル(10人、20人)でもあり、ドイツのような産業構造とかけ離れているようです。
それに対してデンマークなどは、中小企業支援補助制度そのものがなく、スウェーデンでも中小企業優遇策はありません。アメリカのように生産性を上げているのは、規制や優遇がないからではないかと指摘しています。
企業規模が生産性を上げる。企業規模が労働の質を上げ、生産性を上げるのだとすれば、中堅企業が、大企業が増え、多くの従業員を雇用することで、政治による誘導や歪みが無くなるのかもしれません。感情論ではなく、すべての優遇策や保護策は、税金によってばらまかれていることを理解すべきなのかもしれません。
アトキンソンさんは、「日本の手厚い中小企業優遇策」として以下の9項目を上げています。
- 法人税率の軽減
- 欠損金の繰越控除
- 欠損金の繰戻還付
- 交際費課税の特例
- 投資促進税制
- 少額減価償却資産の特例
- 固定資産税の特例措置
- 研究開発費税制
- 消費税の特例
また、このような自体を招いた根本原因は、1964年の中小企業基本法の成立から始まっていて、「1999年に改正されるまで、別名「中小企業救済法」とも呼ばれていた」と指摘しています。
現在も、日本では「起業が少ない」として、スモールビジネスの「起業」を奨励していますが、失敗したらすべてを失うような制度のもとでは、なかなか新たなビジネスに挑戦する人は増えるとは思えません。
コロナ不況で「これからは創業者支援だ」「解雇され、創業に」「リモートワークから新規事業だ」などと景気の良い話をする専門家もいますが、これからはなかなか難しい時期かもしれません。
多くの従業員は、中小企業にいる限り、多くの政治家は「中小企業施策」に力が入ります。潰すわけにはいかないのです。重要な票田なのですから(これは小堀の私見)