認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
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今日は、『溜池通信』の「特集:2024年の国際情勢を展望する(溜池通信vol.777 November 17th 2023双日総合研究所)吉崎達彦氏」をご紹介します。
11月も押し迫り、「そろそろ来年の予想を組み立てる時期となりました」と口火を切ったうえで、「何より世界の2か所で戦争をやっている、という事実…来年は何はさておき「3つ目の戦場を作らない」ことが肝要かと思われます」と来年の展望の前提を提示しています。
次に、「例年、この時期に来年の予測を立てるのは本誌としては一種のルーティーンなのだが、2024年の場合はとにかく嫌な予感しかない」とその厳しい国際環境を指摘されています。
「世界はウクライナとイスラエル・ガザ地区という「2つの戦場」を抱えていて」…「あまり考えたくはないのだが、「第3次世界大戦」の可能性だってなくはない」とその危機的な状況を予想します。
「1939年9月1日にポーランド侵攻が起こったとき、それが世界大戦の始まりになると考えた人はほとんど居なかった。ナチス・ドイツとスターリンのソ連が、強引に隣国を分割して占領した」…「それから2年3か月後には、日本軍は真珠湾攻撃を行い、そこから先はもう第2次世界大戦である。抑止が効かなくなった世界では、かくも加速がついてしまうのだ」と持論を展開します。
その上で、「それでは2022年2月24日のウクライナ侵攻を起点として、そこから2年3か月先はいつになるかといえば、2024年5月ということになる」。
2024年5月は「恐ろしいことに台湾総統就任式が予定されている。このタイミングで「台湾有事」が発生したらどうなるのか。これはもう「第3次世界大戦」が確定となってしまうだろう」と考えたくもない予想を展開されています。
「上記はあくまでも「頭の体操」にとどめておきたいところだが、2024年の世界はウクライナとガザ地区という「2つの戦場」を抱えている。それがインド太平洋地域に飛び火することだけは、しっかりと「抑止」しなければならないだろう」と結論づけておられます。
誠にその通りなのですが、吉崎氏は、「なぜ抑止が効かなくなったのか」と問いかけ、「あらためて「ウクライナとガザ」という2つの戦場を比較すると、いずれも「古い物語と新しい現実」が衝突しているように見える」と解説されています。
「ウクライナの兄貴分をもって任じるロシアとしては困るのである。…ロシアの庇護の下においてのみウクライナの繁栄は可能なのに、彼らは西側の操り人形となり、反ロシア運動の手先となっている。…まるで家庭内暴力を正当化するストーカーのよう」と古いロシアを表現しています。
他方で、「問題は、そのロシアを西側が抑止できなかったこと」とも指摘しています。古い政治家であるバイデン大統領のやり方は、プーチン大統領には読むことができたため、「新しく変わろうとするウクライナ」をとどめるために、ロシアは、侵攻に踏み込んだのかもしれないとの予想をされています。
次に、「イスラエルに対するハマスの奇襲攻撃も、中東世界に生じている近年の新しいうねりに対する古い物語による反撃であろう」と滅論付けています。
「サウジアラビアのMbSことサルマン皇太子は、中東の現実を変えたいと強く念願している。古いしきたりを捨てて、西側からの技術や資金を得て、「脱・石油」などのビジョンに向けて国を前進させたい。そのためには、イスラエルとも仲良くしなければならない。特にイランと対抗していくためには、その方が有利である。」とい新たな動きを紹介しています。
このような考えや国際的関係の変化は、サウジアラビアという「アラブの盟主」がパレスチナ問題を切り捨てることを意味すると指摘した上で、「武装集団ハマスがイスラエルに対する「渾身の一撃」を放ったのは、まさにそういうタイミングであった」とも指摘しています。
「アラブ世界は蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。民衆レベルの反イスラエル感情に火がついてしまえば、アラブ各国の首脳もホンネはさておき手の打ちようがない。「新しい現実」は「古い物語」の前に退却を余儀なくされている」
「問題はなぜ、かかる動きを抑止できなかったのか、である」とした上で、「そんな中で、「すぐ近くで戦争をやっていたから」という理由は無視できないだろう。平和と安定を維持する「抑止」の網は、一か所でも破れると他の場所も脆弱になってしまうのだ。」とも指摘しています。
「世界中で「古い物語」による反撃が起きやすくなる。 それが既に2か所で起きている中で、3か所目の発生をいかに食い止めるか。2024年の国際情勢は、そういう困難な課題を抱えていることになる。」とその危機的な情勢を分析しています。
このレポートでは、これ以外に、「●2023年の米中首脳会談を終えて」、「●米大統領選挙という”Unpredictability”」が解説されています。
アメリカという国は、第一次世界大戦の時も、第二次世界大戦の時もまずは自国主義であったことを忘れてはいけないと思います。
最初に死の商人として武器を生産し売り続けていたのです。今回の二つの戦争でぼろ儲けをしている死の商人がいることも事実です。 アメリカ第一主義は、その内向きの政治や国民性を表しています。これから始まるアメリカ大統領選挙の結果は、世界中に新たな恐怖と無秩序を、第3次世界大戦を起こすきっかけとなるのかも知れません。考えたくもないことですが、2024年はホットな年になるのかもしれません。