こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今後、数ヶ月が経つと、コロナウイルス対策の影響で、全国の地域経済に大きな打撃が広がります。これから先が見通せない状況の中、従前の体制のまま経済が再興することを前提に、このようなブログを書き続けてよいのか、ためらいながら書いています。
この際、一度、立ち止まり、しっかりと今の会社の状況を確認しましょう。本来はBCPを作るのが良いのかもしれませんが、最初に「ロカベン」を作っておくことは無駄にはなりません。本当の会社の実態を棚卸ししてください。
今日のテーマは「ローカルベンチマークの活用 金融機関等の取組み」です。
昨日は、まず、最初に企業側が「ロカベン」に最初に取り組むことを説明しました。しかし、一般的には、金融機関側から「社長!一度企業の健康診断をしてみませんか」というアプローチがあり、「ロカベン」に取り組むのが実態です。
金融機関が、企業側にアプローチする際、大切なのは、なぜ「ロカベン」に取り組むのか、なぜ「ロカベン」を通して対話をしようとしているのかを理解していただかなくてはなりません。本当に企業を理解したい、一緒に良くしていきたいという姿勢が必要です。
企業側の立場で考えると、突然、時間を取られるような提案をされても、拒否感が強いのはわ当然です。また、「ロカベン」を作るために、どのような取組みをし、どの程度の時間がかかるのか、押し付けられた感が強く、良い対話は始められないのは事実です。
本店などの専門家が、「まずは取り組んでみましょう」と言ってくると、金融機関の姿勢を理解できやすく、説得されやすいのですが、すぐには始められません。支援機関等を派遣してフォローするなどしてくれなければ、このフォーマットを見て検討して社内で作成できる経営者は少ないと思います。
金融機関側も、担当者レベルでは理解が十分できていません。積極的な取組は期待できないかもしれません。ましてや、企業側が前のめりになって「ロカベン」に取り組んでくれるのは、もっと先で、「ロカベン」の活用で「メリット」を感じてもらってからです。
しかし、金融機関と企業の、そして自治体や商工会議所などの公的機関の中で、「共通のツール」で、会社を理解し、支援していく行動は絶対必要です。タイミング的には待ったなしの状況です。
「メリット」は地域金融機関側に多くあります。良い会社を残し、地域社会を守っていくためには、お互いの信頼関係を構築するツールが必要で、その一つが「ロカベン」なのですから、もう少し、社内資料整備とは別にこの政府が推奨する「ロカベン」を活用することが望まれます。
今回のコロナの混乱の先に、新たな金融機関と事業者の協力や支援関係が生まれることを期待しています。そうしなければ、地域金融機関は崩壊してしまいます。
ところで、私は、「ロカベン作成支援」を金融機関に頼まれたときは、次のように取り組んでいます。
まず、社長のインタビューを大切にしています。社長たちは、自分の会社はどんな会社であるのか、どんな苦労をして今があるかを語りたいものです。そして、山あり、谷ありの苦労話を上手に引き出してあげることが、最初の壁を取り払い、信頼関係を作る事ができるものです。
また、私は、事務所の中だけでなく、事務所から出て生産現場や、工場、倉庫など、会社の資産や主要なメンバーを紹介してもらいます。その方々が、会社を支えているのですから。そこには、社長の目線では気が付かないたくさんのヒントがあります。
将来の経営改善のためや、事業承継のことなど新たな課題に取り組むためには、「現場」「工場」「事務所」「倉庫」「店舗」など会社の隅々の生きている場所を見せてもらっい、社長の言っていることが理解できるよう努力します。
今まで知らなかったことばかりでしょうから、1回の訪問や見学ではわからないことばかりでしょうし、質問もたくさん出てきます。何度か訪問して、「ロカベン」の内容に沿って、順に理解を深める取組みをしています。
金融機関の立場に立って、「露払い」をするような気持ちで取り組んでいます。
「ロカベン」は、「企業の健康診断ツール」です。企業の健康診断を、かかりつけ医である地域金融機関で受けているわけですから、しっかりと理解して、両者で対話を始めてください。
金融機関の皆さん、最近のお医者さんのように、PCの検査データだけを見て、相手の目さえ見ないで診断をしたり、調薬をしたりしないでください。
「大変だなあ」と思う気持ちはよくわかります。血の通った事業評価をするためには、時間がかかります。地域社会を守るためにも、「絶対の信頼関係」を両者で歩み寄って構築してください。
「ロカベン」という「共通の対話のツール」に期待しています。