こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
東京は週を明けて40名を超える新型コロナウイルス感染者となりました。一定のエリアで発症で、「東京アラート」は3ステップを維持しています。いろいろな制限がなくなりつつあります。皆さんはどんな想いで仕事をしていますか?
今月は、直接は皆さんに関係がないように思うかもしれませんが、日本の金融について学ぶことで、中小企業が、小規模事業者が生き残っていけるのかの切り口を考えたいと思っています。
今日のテーマは、「金融検査マニュアルの廃止 金融仲介機能のベンチマーク2 具体的内容」です。
平成28年9月に「金融仲介機能のベンチマークについて~自己点検・評価、開示、対話のツールとして」が発表されています。
策定の趣旨の中には、「多くの金融機関は、その経営理念や事業戦略等において、…取引先企業の成長や地域経済の活性化等に貢献していく方針を掲げている」としています。
しかし、企業ヒアリングでは、金融機関に対する「担保・保証に依存している」という批判や「事業の理解に基づく融資や経営改善」などの支援を求めていることが分かった。そこで、このようなことに対応する金融仲介機能を強化するべきだとしています。
私見ですが、金融検査マニュアルも「実施内容の監査」でしたが、この金融仲介機能の実施状況についても、金融庁側が評価するために「客観的指標」として用意したのが「金融仲介機能のベンチマーク」です。金融庁では、すでに回答を用意しているのです。この一覧表から選んで実施しなさいと。
結果論ですので言いにくいですが、ここでも各金融機関は「考える」ことを求められていません。経営理念から事業戦略まで「与えられた回答」に沿っているのかが見られているように思うのは私だけでしょうか?
自己点検・評価を、全ての金融機関で実施する「共通ベンチマーク」と、それぞれが選択して対応する「選択ベンチマーク」、それ以外に独自指標があるなら歓迎するとしている。
また、この取り組みを企業側に開示して、「金融機関を主体的に選択できる」情報提供が重要としている。
この金融仲介機能のベンチマークに対する取り組みについては、金融庁がそれぞれの金融機関の取り組みや進捗状況を把握した上で、「その質を高めていけるような効果的な対話を行っていきたい」としている。
共通ベンチマークの内容は、以下のとおりです。
1.取引先企業の経営改善や成長力の強化
【共通ベンチマーク1】
メインバンクとしての取引先が経営指標に改善や就業者数の増加が見られた 融資先数、融資金額の推移
2.取引先企業の抜本的事業再生等による生産性の向上
【共通ベンチマーク2】
金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況
【共通ベンチマーク3】
金融機関が関与した創業、第二創業の件数
【共通ベンチマーク4】
ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)
3.担保・保証依存の融資姿勢からの転換
【共通ベンチマーク5】
金融機関が事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額、及び全与信先数及び油脂学区に占める割合(先数単体ベース)
なお、選択ベンチマークは、14項目で、50の選択ベンチマークによって構成されています。特に重要なのは、(3)本業支援、企業のライフステージに応じたソリューションの提供です。私達専門家の立場では、(10)外部専門家の活用です。
一度、「おたくはどんなベンチマークに今年度は力を入れているのですか?」と支店長に聞いてみてください。
私は、近隣の信金さんのディスクロージャー誌をいただいていますが、本当に、会社の体質がでます。どのベンチマークに対応して努力しているかの説明について、積極的でない会社については、正直、違和感があります。いかがでしょうか?