こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
東京は新型コロナウイルス感染者が毎日増えてはいます。新たな基準づくりをして、「東京アラート」は3ステップを維持したい意向のようです。皆さんは、どんな想いで仕事をしていますか?
今月は、直接は皆さんに関係がないように思うかもしれませんが、日本の金融について学ぶことで、中小企業が、小規模事業者が生き残っていけるのかの切り口を考えたいと思っています。
今日のテーマは、「金融検査マニュアルの廃止 平成29事務年度 金融行政方針」です。
この事業年度の金融行政方針で、昨年度の大枠の設定から、「金融行政の視野を、「形式・過去・部分」から「実質・未来・全体」へと広げた新しい検査・監督を実現する」としました。
その具体的な「金融検査・監督の考え方と進め方(検査・監督の基本方針)」を策定するとしました。以下のとおりです。
- チェックリストによる機械的な(ルールベースの検査・監督)から、ルールとプリンシプル(「尊重すべき主要な行動規範・行動原則」だと思います・小堀(2008金融サービス業におけるプリンシプルについて 金融庁)のバランスを重視し、金融行政の目標に遡り重要な問題を議論
- 金融機関が顧客にとって優れたサービスの提供を競い合い、ベストプラクティスを追求するよう促す
- 顧客が金融機関を主体的に選択できるよう、金融機関の取組みの「見える化」をすすめる
- 金融機関の経営の健全性が将来においても確保されるよう、「動的な監督」に取組む
- 「悪しき裁量行政」に陥らないよう、外部からの提言・批判が反映される仕組みを整備
さらに、地域金融機関に対しては、「金融仲介機能の十分な発揮と健全な金融システムの確保」の中で、持続可能なビジネスモデルの構築をすることと、低金利の市場の中で、経済・市場環境の変化への対応を求めています。また、甘い希望的な観測に頼った経営をしている地域金融機関に対して、金融ビジネスの環境変化に対応したガバナンスの発揮をするよう求めています。
平成29年11月の発表から2年後の金融検査マニュアルの廃止まで、いろいろなプロセスはあるものの、私の感触では、多くの金融機関はなかなかこの行政方針を受けて、変革に挑戦していたようには思えません。残念ながら、保守的な企業が多いようです。
確かに、地方銀行等で合併等の動きはありましたが、半分以上の地方銀行が赤字のまま抜け出しきれていないのです。護送船団方式の大蔵省が育てた業界です。バブル崩壊、リーマン・ショックを乗り超えて生き残った会社ですので、その価値はあるのだと信じたいのですが、いかがでしょうか?
こうしてみると、どの銀行も、取引先の会社にいろいろな経営改善を要求されているのですが、自分のお尻にも火がついている状態なのです。そして、その守られた企業の人材が本当に活かされているのか、優秀な成績で入社された方ばかりのはずです。