こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
東京は新型コロナウイルス感染者が毎日増えています。しかし、政府は、明日19日からは、都県を超えた移動も解禁され、経済活動は、「新しい日常」を実施しながら、少しずつ動き出していきます。
今週は、日本の金融のバブル崩壊以降について学ぶことで、地域金融機関とともに中小企業が、小規模事業者が生き残っていくための切り口を考えたいと思っています。
今日のテーマは、「金融検査マニュアルの廃止 平成30事務年度 金融行政のこれまでの実践と今後の方針」です。
この年から、「PDCAを明確にする観点から、従来の金融レポートと金融行政方針を一体として策定」された方針書で、タイトルは「変革期における金融サービスの向上に向けて」です。
今までの「金融(監督)庁」から金融サービス向上に向けた「金融(育成)庁」として7つの取組みをするとしている。
また、この年の方針書では、「デジタル化」を全面に出して、【金融デジタライゼーション戦略】として11の施策をあげ、「新しいプレーヤーによるイノベーションの進展が進みやすい環境を整備する」としている。
既存の金融機関に対しては、「新しいプレーヤーとの協働・連携や競争を通じて、ビジネスモデル変革による利用者利便向上」を促している。少し、突き放したような物言いである。
特に地域金融機関に関しては、過半数の54行で本業利益赤字(うち52行が2期以上連続赤字)であり、ビジネスモデルの持続可能性、有価証券運用のリスクテイクに課題があり、取締役会等のガバナンスが発揮されているのか、また、地域の企業と向き合う意識や取り組む姿勢に改善が見られるとしているが、「時間軸を意識しなくてはならない」としている。
大きな舵が切られたのだと思います。金融機関とは、単に預金機能を持つ「銀行」を相手にするのではなく、いろいろな金融機能を持った新規のプレーヤーを迎い入れ、既存の勢力には、とにかく生き残るために変革を進めてください!と言っているようです。
「金融育成庁」と自らで呼び替えているように、金融を取り巻く環境が「デジタル」によって、AI・ビックデータ、ブロックチェーンなどの技術革新、5Gと呼ばれる通信技術が急速に発展しています。変化する産業基盤を担う金融機関を「育成」しなくてはならないのです。
仮想通貨やFinTechなどに対しても、行政として対応し、サイバーセキュリティーを含めた国際連携や情報共有を急がなければならなくなったのです。また、これらの状況に対応して、国民と国家を守るために何をすべきか考えているのが、この平成30事務年度の金融庁の姿勢です。行政方針と金融レポートの二本立てをやめた年でもあります。
ある意味では、地域金融機関には、ガバナンスをしっかりして、本当に生き残っていけるビジネスモデルを「自分で考えて!」ということだと思います。今までは、金融庁の「模範解答」や同業の「先進事例」を真似ていれば良かったのですが、そんなことでは間に合わない状態になったということです。
地域金融機関は、ある意味で最後通牒を突きつけられたようにも見えます。しかし、その地域金融機関は多くの中小企業の資金を担っているのですから、そう簡単にはいきません。健全な地域社会を「育てる」ためには、今ある仕組みを変えて、中小企業にも一緒に変わってもらわなくてはなりません。
こうすると、金融行政の変革と、中小企業政策と資金調達のあり方は連動しているのであって、同時に、このコロナウイルスによる経済の疲弊や混乱をどう乗り越えるのか、金融機関の健全な対応なしではできないでしょう。むやみにお金を入れて、一時的に廃業や倒産をただ減らすだけでは済まないのです。あなたの会社はどうしますか?一緒に乗り越えたいですね。