こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
コロナの情報が少しずつ変わってきているような気がします。諸外国の様子を見ると、もうこれ以上ロックダウンには耐えられないと、経済が動き出しつつあります。しかし、毎日のデータは、確実に感染者数も死亡者数も増え続けています。
今日のテーマは、「地域金融機関の“持続可能なビジネスモデル”構築 健全性政策基本方針」です。
昨日は、「金融検査マニュアル」の廃止をするために、地域金融機関に対して、“持続可能なビジネスモデル”を構築するための金融庁の対応について、時系列に説明いたしました。今日からは、それぞれの内容を説明いたします。
(健全性政策基本方針)の正式に表題は、「金融システムの安定を目標とする検査・監督の考え方と進め方」です。この表題の下に括弧して(健全性政策基本方針)と書かれています。
【本基本方針のポイント】という図表では、金融機関の健全性を評価する視点は、
従来は、検査マニュアルの項目を満たしたリスク管理をしているか、過大なリスクテイクをして、不良債権になっていないか(資産の質低下)、現段階で自己資本比率は基準を満たしているかを評価してきたとしています。
この視点は(後始末型)であったが、「これからの視点」は、(予防型)にするとしています。まず、最初に、金融機関のビジネスモデルはどうか、そのモデルで、顧客に付加価値が提供できるかが問われているとしています。
したがって、リスク管理をどのようにして、収益を持続的に得るため、資産の質を見極めてリスクテイクをし、リスクに見合った収益を確保し、ビジネスを継続するのか。結果的に自己資本比率は将来的に大丈夫か、いざという時を想定した外貨を含め、安定した調達先を確保しているのかを評価するとしています。
したがって、健全性を確保するためには、金融庁は、
その判断に当たり、今までのような資産の質や自己資本比率基準だけではなく、個別の金融機関の全体としての健全性を考慮して、「包括的」「実質的」に判断するとしている。
さらに、過去の経験から、金融システムの実体経済に与える影響は甚大であることから、危機に事後的に対処するだけでなく、危機の予防をするために、事前に金融機関や金融システムの脆弱性を把握し、将来に向けた対応を目指すとした。
その上に、今までのリスクテイクを抑制することに偏った対応をだけでなく、それぞれの金融機関が、適正なリスクテイクができる、金融機関自身が創意工夫のできるバッファーを与え、健全性の確保を実現することを目指すとしている。
従来の画一的な金融庁の対応について反省し、「金融機関を萎縮させ、担保・保証への依存やリスクテイクへの消極的な姿勢を助長する傾向をもたらした面があった」と総括している。
健全性政策では、マクロの金融システムの健全性の確保による経済・産業の円滑な運営と、ミクロの金融機関の健全性による預金者の保護の両面があることを理解しなくてはなりません。これからは、金融庁は、個別の地域金融機関に、収益をあげ、マネジメントやガバナンスを整備し、期限を決めて従来の枠から飛び出し、厳しい市場に耐えられる企業を育てたいとしている。