こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
東京都の感染者数が減りません。当局の発表では、今まで踏み込めなかった「夜の街」の関係者の集団検査ができるようなって、まとまった濃厚接触者が陽性と判断されたからだと説明していますが、確実に元気な無症状の患者がいるとのことを裏付けています。
今日のテーマは、「地域金融機関の“持続可能なビジネスモデル”構築 「早期警戒制度」見直し・改正」です。
この制度は、『中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針』の中にある制度で、2019年6月に大幅な改定がされています。「早期警戒制度」の「収益性」に関する記述が削除され、「持続可能な収益性と将来にわたる健全性」となりました。
「主な着眼点」は、「(1)経営陣は、…時間軸を適切に意識し、実現可能性のある経営戦略・計画を策定・実行しているか。(2)…経営戦略・計画の妥当性の検証や見直し等を行っているか。(3)…目標未達の要因を分析し、これを踏まえた改善対応策を策定・実施しているか。(4)取締役会(社外取締役を含む)は、…ガバナンスを発揮しているかなど」です。
今後の「監督手法・対応」は、3STEPに分けて実行するとしています。
STEP1では、機械的なスクーリニングで、貸出金・預金利息、有価証券利息配当金、役務取引利益、経費が、概ね5年足元の傾向が継続するとして、コア業務純益やストレス事象を想定した自己資本比率が大丈夫かを確認し、
STEP2では、STEP1で問題がありそうな金融機関に対して、個別に「ヒアリングを実施し、見通しの妥当性について検証する」としている。その内容は、上記の「主な着眼点」に沿って、経営者の覚悟と人材の育成などまで踏み込んで実施するようです。
STEP3では、STEP2 のヒアリングの結果、概ね5年以内にコア業務純益が赤字であるとか、所要自己資本比率を下回るなどのときで、報告徴求(法第24条)、検査、業務改善を促す(法第25条)、業務改善命令(法第26条)を実施するとしている。
いずれにしても、今までのスタンスから大きく踏み出したものです。バブル崩壊後、長い年月がたって、大蔵省がなくなり、金融機関の「護送船団方式」が無くなったにもかかわらず、特に地方の金融機関は、大きな改革を先延ばししてきたため、抜本的な対応策が必要なのです。
金融庁は、『監督指針』を改定して、地域金融機関に寄り添う形で対話をし、金融仲介機能を発揮できるよう、早期の業務改善を求めたのです。5年以上の赤字が続く地方銀行が多くある中で、これ以上の先延ばしは、金融機関にとっても、地域経済においても良い選択でないと決意したものと思われます。
この内容を見ていると、中小企業円滑化法によって、結果的に生き延びてしまったゾンビの中小企業対して、金融機関の皆さまが、「もうやめよう」と思いながら、リスケを更新している姿を重ねてしまいます。
政治家が、中小企業のために良かれと思って作った円滑化法が、多くの「弱い輪」を作ってしまったようです。金融機関の中にもゾンビになってしまった、ゾンビに取り込まれてしまったのかもしれません。もうそろそろ止めにしなくてはなりません。