こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
日本では、新たな日常についての話題が毎日放送されていますが、世界のパンデミックはますます拡大しています。この1週間で100万人の感染者が増えたとのことです。世界のトップであるアメリカでもまだ拡大しているのです。
昨夜のトランプ大統領が強行したリアルの選挙演説会は、動員した人数が集まらなかったようです。メデイアで発表される絵に空席があるなんて驚きました。
今日のテーマは、「地域金融機関の“持続可能なビジネスモデル”構築 地域金融機関を取り巻く環境整備(令和元年事務年度)」です。
平成30年度から金融レポートと金融行政方針をあわせて発行した2年目です。昨年と同様に147頁の大作です。この中で、地域金融機関については、15%に当たる22ページが割かれています。
まず、地域金融機関を取り巻く環境整備についてですが、様々な課題があり、8項目に分けて説明しています。ここでは、中小企業者の関係がありそうな話題を拾ってお伝えします。
最初は、「地域銀行における競争政策のあり方」ですが、いよいよ経営が行き詰まってきた地域金融機関の強化と、地域での金融インフラを残すために、「地域銀行の経営統合」について、10年間の時限措置として、独禁法の適用除外を認める特例法を2020年通常国会に提出する予定になっていました。
また、金融機関の業務範囲にかかる規制緩和として、地域活性化を目的とした事業を行う会社については、㈱地域経済活性化支援機構の関与の有無に関わらず地域金融機関が子会社を通して40%未満の出資を認めたり、「地域商社事業」に関しては、100%までの出資を認める方向です。
業務範囲の規制緩和には、身近なこととしては、銀行員の人事ローテーションであるが、これもすぐにいなくなるのは、監督指針等で不正防止の名目で実施されてきたが、人材育成や顧客サービスのために見直すとされたことなどがある。
事業承継に関しては、経営者保証に関するガイドラインのことと円滑な事業承継に向けた支援が必要です。経営者保証については、昨年度からあまり進んでおらず、地域金融機関の柔軟な判断ができるよう明記し、同時に積極的な取組とノウハウの蓄積を求めています。
金融機関には、「預金保険」という制度があり、万が一金融機関が破綻した場合、一定の範囲で預金者を保護する保険です。今までは、どの金融機関の関係なく一定の保険料率が設定されていますが、これからは、財務の健全性をベースに、将来にわたる規律付けのため、インセンティブ付与のための預金保険料率に変更する可能性があるとしている。
また、公的金融と民間金融のあり方ですが、まさに、今「コロナウイルスによる緊急融資」は、日本政策金融公庫(日本公庫)などの公的な機関による融資が行われています。最近になって、地域金融機関も取り扱うことになりましたが、これも、国の関与する「保証協会」の100%保証になるので、窓口は地域金融機関であっても、国の融資と同様です。
昨年度は、日本公庫との協調融資は33%に上るものの、制度的には、民業を保護するような対応に過ぎません。創業融資などを例にしても、民間の金融機関が審査してリスクを取ることなどは殆ど無く、日本公庫が先行して、うまくいくようであれば協調融資、さらに大きくなるようならば保証協会付きの独自に融資するといった安全なステップを踏んでいます。