こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
令和2年7月17日に発表された「成長戦略実行計画案」の最終章は、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた対応」です。
第1節ではこれまでの対応として、雇用の維持、資金繰り支援を、そして、「次の段階としての官民をあげた経済活動の回復」として、「宿泊、移動、食、イベントといった業界」へ、感染防止をしながら「官民一体型キャンペーン」を実施するとしています。
同時に、「強靭な経済構造の構築」をするとして、今後の検討課題も含めて、大きくは、生産拠点のサプライチェーン対策として、国民の健康医療に不可欠なものや海外依存度の高いものについて、「国内投資」ともに、重要で不可欠な製品の部材等については、危機に対応できるような体制を構築できるように支援するとしています。
また、今まで進んでいなかったテレワークや宅配サービスが急速に伸び、また、遠隔教育や遠隔医療の必要性が高まりました。色々な法的規制があるものの、必要な体制を整えて、その実施に踏み込んだ機関が多くありました。
そこで、第2節では、「今後の対応」として、今までの大都市一極集中型や、ジャストインタイムのようなムダを排除した生産システムや経済社会活動が問われているとして、以下の4点を「ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ社会の基本理念」と設定しています。
- 新しい働き方を定着させ、リモートワークにより地方創生を推進し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることで、分散型居住を可能とする社会像
- 変化への対応力があり、強靭性・復元力を持った長期的な視野に立った社会像
- 企業も眼前の利益にとらわれず、長期的なビジョンに立った企業像
- 脱酸素社会・循環経済の実現も含め、持続可能性を持った社会像
このために、「未来社会の実験場としての大阪・関西万博」と位置づけ、いくつかのキーワードを提示しています。
地方創生推進、都市から地方への分散環境整備、地方の災害強靭性確保、地方の交通ネットワークの整備、地域のニーズに応える大学改革、新しい働き方、若者・エッセンシャルワーカーへの支援、対面・書面・ハンコ原則」の見直し、地域中小企業のDX、農林業・漁業のスマート化、オンライン教育・オーダーメイド型教育・リカレント教育、5G・ビョンド5Gの推進
たくさんのキーワードを並べましたが、これらの言葉を駆使してつくられたのが『経済財政運営と改革の基本方針2020~危機の克服、そして新未来へ~(案)』です。
安倍総理の辞任が浮上して、政権の足元がおぼつかなく、これらの多くの施策が棚上げされて、政争が始まりそうな気配です。
コロナ被害の大きさから見たら、日本は本当に少ないようですが、だからこそ、世界に先駆けて新たな社会づくりの発信をしたいものです。
これらの文書を取りまとめた「官僚や役人はスゴイ」と思うのは私だけではないと思いますが、立派な文書や構想があっても、それを実現するのは民間です。そして、その多くを支えている中小企業とその従業員である国民は、今や疲弊し、老齢化し苦しんでいます。
この秋までに先が見通せなければ、大変厳しい状態になるのは、あなただけではありません。早め早めに資金繰りを確認し、顧問の税理士や知り合いの専門家、認定支援機関あるいは商工会議所等の機関を通して相談を始めてください。
地域金融機関の能力は限界に近づきつつあります。自分の金融機関は大丈夫かも調べときましょう。同時に、1行取引は厳に慎んでください。必ず2~3社の金融機関に窓口を設置してください。都市銀行などを含めた金融業界の再編が始まります。