こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、連休もあり、23、24、25日の3日間「令和2事務年度 金融行政方針」についてお伝えしています。今日は、「高い機能を有し魅力のある金融資本市場を築く 金融庁の改革を進める」です。
本文を引用します。
「2. 高い機能を有し魅力のある金融資本市場を築く」
「第二に、我が国の金融資本市場の機能を高め、アジアや世界における役割を高められるよう取り組む。地政学的なリスクなどが強まる中で、日本市場は国際的なリスク分散にも貢献できる。我が国にも世界全体にも役立つ形で日本市場を発展させられるよう、知恵をしぼる。」
これは、香港、シンガポールなどの国際金融の動向を指しており、金融の人材、資金、情報が集積する「国際金融都市」の中核的な役割を果たしていくことを宣言したものです。そのために環境改善と英語による金融行政をし、海外の金融機関等の人材を受け入れる環境整備をする(優遇措置をする)との意向です。
また、間接金融中心の金融仲介から直接金融への転換を打ち出している。すなわち、銀行だけではなく、証券取引所、証券会社などの高度化によって、我が国の資本市場の国際力強化を打ち出しています。円滑な対応が海外投資家や外国法人客の拡大、更には非上場会社の有価証券取引の改善やクラウドファンディング等を活性化することを目指しています。
マネーロンダリングのこともあるでしょうし、暗号資産、ステープルコインなど我が国が相対的には遅れを取っている分野についても触れている。
最後は、 「3. 金融庁の改革を進める」
「第三に、「金融育成庁」として力を発揮できるよう、金融庁自身の改革を進める。コロナ対応を契機とした働き方改革を更に進化・定着させる。職員が自由闊達に議論し、イニシアティブを発揮できる庁風を築く。実態把握力や政策的な構想力の水準を高める。」
職員の主体的な取組みを支える環境づくりについて最初に触れ、民間のように職員満足度や360度評価なども考えているようです。
次に行政手続きの電子化について、政府全体として「書面・押印・対面」手続きを前提とした我が国の制度・慣行を見直すとしている。これは、まさに政府が改善すれば一挙に民間は代わっていく内容ですので、その先を期待します。
金融庁もやがて20年が経ちますが、大蔵省が財務省になり、各地方の財務局が金融庁と一体となって地域金融機関をフォローしてきた訳ですが、本来業務の中で、更に金融庁の役割と地方の財務局との連携を深めるとしています。そろそろ制度や組織を見直す時期なのかもしれません。
今後は、「政策の企画立案及び執行プロセスにおいて、財務局との協働を更に推進する。」「地域金融機関等の検査・監督など、財務局と関連する施策の策定について共同で検討を進める」など、「必要に応じて法令整備の段階から財務局と相談することなどを進める。」としています。これは、どうも複雑で、スッキリした組織を作ったほうが良いように見受けられます。
いずれにしても、この9月25日には前長官である遠藤さんの講演会もあるようで、地域金融機関の改革半ばでの退場で、地域金融機関が大きな地盤沈下や整理統合が進むことがはっきりしてきたように見受けられます。
これから、コロナ後を考えうると、事業承継や休廃業がたくさん発生し、同時に、相続や信託も大きく動き出すことになります。地域金融機関がデジタルを駆使したメガバンクやリースなどの金融会社、証券会社と同じ土俵で戦ったときに、生き残るために、今まであったプライドや奢りを捨てて、真に「顧客本位」の営業をするならば、今までの看板と実績があるのですから戦える気がするのですが、いかがでしょうか?
これで「令和2事務年度 金融行政方針」の解説と私の印象をお伝えしました。