こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、9月9日、経済産業省で開催された第27回産業構造審議会総会において、「令和3年 度経済産業政策の重点(案)」が決定されましたので、ご紹介します。
今年はコロナの影響で、すべての事務が1ヶ月遅れとなっており、本来であれば、8月末には、概算予算の提示があり、来年度政策の予算の割り振りによる「姿勢」や「本気度」が見えてくるのですが、まだ、経済産業省は発表していません。来週には、出てくるでしょう。
概算予算が出てきたら、補助金や給付金などの真水になるようなお金や、これから来年にかけて、どのような分野にたくさんのお金がついていくのかが見えてきます。それは、関係する省庁の概算に予算も同様です。中小企業の立場では、まず、経産省の概算予算の方針が重要です。
それでは、「令和3年度の経済産業政策の重点(案)」の説明をします。重点(案)は、次の3点です。
⚫ 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた国難の中で、事業と雇用を守るための緊急対策を実施。他方、新型コロナを契機とした“新たなトレンド”への対応を加速しなければ世界で埋没。
⚫ ウィズコロナ/ポストコロナにおける「新たな日常」を先取りすることは、日本の経済産業がこれまで抱えてきた構造的問題を解決することにつながる。
⚫ 成長戦略実行計画や骨太方針の方向性に沿って、在るべき経済社会像を描き、現実の企業行動の変革、産業構造・社会システムの転換を図っていくこと
「コロナを契機とした“新たなトレンド“…①接触回避、②職住不近接、③ギグエコノミー(新しい働き方、無人化・AI化)、④グローバリズムの修正 など」を受けて、日本は、「「新たな日常」–グローバルな構造変化(デジタル経済、持続可能性、国際秩序変容等)への対応の遅れを挽回し、日本の構造的問題(少子高齢化、低付加価値生産性、東京一極集中等)を解決するチャンスであると位置づけています。
【「新たな日常」の先取りによる成長戦略】~ ウィズコロナ/ポストコロナ時代に求められる構造転換に向け、長期視点に立った日本企業の変革を後押し・加速 ~ では、「デジタル」「グリーン」「健康・医療」がキーワードです。
また、「分野横断的課題への対応」として、「中小企業・地域」「レジリエンス」「人材・イノベーション」の3項目が取り上げられています。
その上で、「国内政策と一体となった対外経済政策」があり、最後は「最重要課題:廃炉・汚染水対策/福島の復興を着実に進める」となっているのです。
【「新たな日常」の先取りによる成長戦略】の表題の下には、「コスト削減ではなく、「新たな日常」に向けた事業ポートフォリオの見直しに向けて、柔軟な事業再構築・事業再編、投資の加速、労働移動の円滑化、スタートアップとの連携等を支援し、規制・制度を改革」をするとしています。
どうも、「新しい日常」とは、「新しい事業領域」「事業再編」で生き残る会社だけを応援すると言っているように見受けられます。「新しい日常」に耐えられる様に「中小企業の新陳代謝」を促進し、成長できる分野で「地域経済の持続的発展」を促すものです。は休廃業も「コロナ禍」であることを理由に切り捨てていくことになるように見受けられます。
新自由主義は、日本ではますます力を持ってきて、膨大な失業者とともに、貧富の差は更に広がってくるような予感です。誰もが生き残っていける優しい社会ではなく、税金を払わず、借金も返済せず、生産性も上げない会社も労働者も存在しにくい社会になる方針に見えます。確かにアベノミクスは変わっていません。