こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、9月9日に開催された第27回産業構造審議会総会において、「令和3年度の経済産業政策の重点(案)」が発表されましたので、ご紹介をします。
重点案の「分野横断的課題への対応」は、「中小企業・地域」「レジリエンス」「人材・イノベーション」に分けられています。
最初の「中小企業・地域」 では、いきなり「生産性向上」をうたい、伸びていく中小企業像を明確にし、ついてこられない企業の代替わり、事業承継、M&Aを奨励しています。ただし、大企業に対しては、そのような賢い中小企業の芽を殺さないように釘を差しています。
- 中小企業の新陳代謝
- 生産性向上、規模拡大、マークアップ率上昇といった成長を志向する中小事業者に向けた支援
- 事業承継・M&A・再生の更なる円滑化支援
- 大企業とのパートナーシップ構築促進・フリーランスも含めた下請取引適正化策の強化
- 地域経済の強化と一極集中
- リモートワークの拡大・地方移住を捉えた、地域企業の強化・人材の移転支援
- 観光、農業など成長が期待される地域資源を活用した地域経済の持続的発展
また、「レジリエンス ~安心して生活できる環境の構築~」では、
- サプライチェーン強靱化
- 我が国の戦略物資の生産拠点の確保 / 5Gの基盤となる半導体等の重要産業分 野に対する重点支援
- 製造業のデジタル化による環境変化に対応する企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)の強化
- 中小企業を含むサプライチェーン全体でのサイバーセキュリティ・事業継続力の強化
- 経済・安全保障を 一体として捉えた政策の推進
- 国際的な機微技術管理強化の動き等を踏まえた、半導体等の要となる技術に係る内外一体の 包括的な戦略の推進(機微技術の特定・把握・保護、国際的な提携と技術開発の促進等)
- エネルギー・資源の海外権益確保 / 国産海洋 資源開発の推進(メタンハイドレード等)/ 燃料・ガス供給体制の強化
- 強靱かつ持続可能な電力システムの構築に必要な投資を確保するための制度整備
最後は、「人材・イノベーション」です。教育もコミュニケーションも新たな対応に追われることになりそうです。
- 変革を実現する人材の育成
- 1人1台PC下でのEdTech展開 / STEAM教育推進
- リカレント教育の推進とその能力を事業で活用できる環境整備
- イノベーション・エコシステムの創出
- 新しい産業を生み出す担い手の創出促進・成長段階にあわせた育成支援
- 不確実性の中でのリスクマネー供給・研究開発強化
- 機動的・戦略的な国際標準化の推進
このコロナ禍による「外圧」を理由に、政府は進んでいなかった新しい分野の強化をするとともに、同様に進んでいなかった中小企業の事業承継、東京への一極集中を解消したいと目論んでいます。一向に進まないハンコや対面主義を解消し、生産性を上げて、ゾンビ企業を一掃して「強い中堅企業」「強いサプライチェーン」を求めています。
変わろうとしない既得権益を持った方々が、これを認めるのか、女性の活躍が可能で、老人たちが年金生活から目覚め市場参入し、社会を支える立場に立ってくれるのでしょうか?財政の逼迫は誰が支えていくのでしょうか?これは「コロナの外圧」で実現できるのでしょうか?