こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、5月25日に公表された「首都直下地震の被害想定」の見直しを取り上げます。東京都の公表資料を中心に説明します。今日は、「対象とした首都直下地震」です。
今日からは、「首都直下地震が発生すると」の想定で、時間的な経過ごとに、その取り巻く様相を簡単に説明していきます。今日は「発災3日後~1週間程度」です。
昨日は発災直後の状況を確認しました。3日後には、どのような様相になってきていることでしょうか?
インフラ、ライフラインのうち電力は、広い範囲での停電が徐々に減少していきます。上水の復旧は難しく、やっと避難所等への給水が始まっているかもしれません。下水道は、どこで排水管が壊れているか、水を流しても支障がないかの確認が済まない限り、なかなか復旧が進みません。トイレ等の使用が難しいままです。ガスも広範囲の配管の安全点検が必要で、簡単には復旧できそうにありません。
通信は、各社の基地局の電源不足のため、つながりにくくなった状態が続いているかもしれません。一斉の安否確認などは終わっていますが、特に音声通話が利用困難なままかもしれません。
鉄道も点検が進んで、その被害状況が出そろうころで、新幹線などの運航停止は、長期に渡ります。首都圏のJR、私鉄各線の運航停止は、まだ解消できず、近郊から方々の帰宅困難が続いています。
道路は、緊急の段差解消や陥没個所の補修をしたうえで、使えるようになりますが、まだ、緊急車両や支援物資の搬入等のため、規制が続いています。大渋滞が続いています。鉄道や自家用車での移動が困難なためバス等の代替え移動もありますが、軌道に乗っていない状況です。
次に3日後の災害の広がりですが、余震が続いており、古い民家やビル等が崩壊する被害が続いている可能性があります。電気の復旧の際は「通電火災」が発生することもあります。
道路の周りには、災害の片づけ廃棄物が出始め障害となり、啓かい活動が行われないと、この後発生する緊急車両の通行等に支障が出てきます。その結果、消火活動や、救命のための輸送体制がうまく機能しなくなるのかもしれません。
今までの経験では、東京や大阪から被災地に向けて支援物資や人員を送り込んできたのですが、今回は首都直下地震ですので、首都の機能を守り、国家の機能を麻痺させないよう、その重要な機能を一時的にどのようにするのかなどは、東京都の発表にはありませんが、「国難」を乗り切る知恵を教えてもらい、安心したいものです。
さて、このころから、手元にあった食料等が底をつき始め、避難所等にも人が多く集まり、食糧や水の供給を受けようと混乱が始まるかもしれません。
今回の想定では、冬の夕方の発生で、風速8mと強風です。翌日以降は、どんな天候だったのでしょうか?冬の嵐の状況でないことを祈るばかりです。3日後には、あなたと家族、従業員やお客様の消息がほとんど分かってきていることでしょう。悲惨な状況下でないことを祈念します。
自宅では、非常食3日分が切れ、食べるものがなくなります。簡易トイレの数も十分でなく、周辺ではごみ・し尿の処理収集が滞り、悪臭が発生しているかもしれません。特に高層階のマンションに居住する方たちは、エレベーターなしでも生活は想定されていないことから、避難所へ移動し始めるかもしれません。
しかし、今の東京都の対応では、避難場所に住民を収容するスペースはなく、最近建ったマンション等の住民のことは避難住民想定には入っていないと思います。かつて、地元の地震による避難訓練に参加した時、「マンションの方は、そこにとどまっていてください。そのほうが安全です。避難所には入るスペースはありません」とアナウンスされて、驚いたことがあります。
自宅の家具が移動し、食器などが散乱したのは一緒ですが、けがをしたりしていない限り、住むスペースで考えると、都会では、仮設のスペースさえ確保できているわけではないのですから。マンション住民に対しては、太陽光の自家発電やし尿等の処理装置など、最低限の装置を導入する「補助金」を用意する必要があると思います。
避難所でも、あふれる住民で混乱し始め、住民の有志による運営から、都や区の職員が運営を仕切り始めるのでしょうが、十分な物資が届かず、安全や衛生面での対応が困難になることでしょう。
ここから「困難」な状況が次々に派生し、ストレス一杯の状況になっていくのです。しかし、同時に、ここからが被災者同士が助け合い、支えあって食事、給水、トイレ、ごみ処理、老人や子供たちのケアなどを分担していかなくてはなりません。
私の住む豊島区などでは、多くの外国人も住んでいます。これらの方も、同じ住民として対応するには、今のうちから準備が必要です。言葉の壁でコミュニケーションが取れずに、避難ができなかったり、食事がとれなかったりする可能性があります。
また、私の住まいの目の前には特別老人施設がありますが、それ以外に、おひとりで住まわれている老人もたくさんいます。個人情報保護?なのかもしれませんが、いった誰が、その方々の救出や支援をするのでしょうか?平時に知っているのは、町内会長と民生委員だけなのかもしれません。お寒い限りです。