こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、5月31日に公表された「新しい資本主義の グランドデザイン及び実行計画」を取り上げています。この計画は、6月7日、「骨太方針」と共に閣議決定される予定です。
今日は、「その1」として「人への投資と分配」を紹介します。
第3章 新しい資本主義に向けた計画的な重点投資の一つ目は「人への投資と分配」です。
前書きでは、「DX、GXといった大きな変革の波の中にあって創造性を発揮するためには、人の重要性が増しており、人への投資が不可欠」「我が国も、労働力不足時代に入り、人への投資を通じた付加価値の向上が極めて重要」としたうえで、「賃金等のフローはもとより、教育・資産形成等のストックの面からも人への投資を徹底的に強化する」「また、子供期・現役期・高齢期のライフサイクルに応じた環境整備を強化する」と方針を出しています。
そのために必要な6つの施策を順に説明します。
1.賃金引上げの推進
「日本の家計消費が伸び悩む理由は、可処分所得の伸びが十分ではないことが主な理由である。」とし、「賃金の伸びが低い」ことを指摘しています。また、「②重点業種を示した政府を挙げた中小下請取引適正化、③介護・障害福祉職員、保育士等の処遇改善のための公的価格の更なる見直し」など賃金の引き上げに取り組むとしています。
2.スキルアップを通じた労働移動の円滑化。
具体的には、a)自分の意思で仕事を選択することが可能な環境(学びなおし、兼業推進、再就職 支援)、b)初期の失敗を許容し長期に成果を求める研究開発助成制度の奨励と若手の支援、c)デジタル人材育成・専門能力蓄積、d)副業・兼業の拡大の4項目です。
3.貯蓄から投資のための「資産所得倍増プラン」の策定。
「我が国個人の金融資産2,000兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有され ている。…家計が豊かになるために家計の預金が投資にも向かい、持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を作る必要がある。」としています。
4.子供・現役世代・高齢者まで幅広い世代の活躍を応援
コロナ感染症の拡大で、子供の出産はさらに落ち込み、「特殊出生率」は、1.3まで下がっています。この危機に、以下のような施策で応援するとのことです。
a)こども家庭庁の創設、b)保育・放課後児童クラブの充実、c)出世払い型奨学金の本格導入、d)子育て世代の住居費の支援、e)家庭における介護の負担軽減、f)認知症対策充実、介護予防の充実・介護休業の促進等、g)健康経営の推進の7項目です
5.多様性の尊重と選択の柔軟性
「多様性を尊重し、性別にかかわらず仕事ができる環境を整備することで、選択の 柔軟性を確保していく」として以下の項目が挙げられています。
a)多様性の尊重、b)男女間の賃金差異の開示義務化、c)女性の就労の制約となっている制度の見直し等、d)勤労者皆保険の実現、e)勤務間インターバル・育休促進・転職なき移住等の働き方改革の推進の5項目です。
6.人的資本等の非財務情報の株式市場への開示強化と指針整備
「「費用としての人件費から、資産としての人的投資」への変革を進め、新しい資本主義が目指す成長と分配の好循環を生み出すためには、人的資本をはじめとする 非財務情報を見える化し、株主との意思疎通を強化していくことが必要である」として、…「本年内に、 金融商品取引法上の有価証券報告書において、人材育成方針や社内環境整備方針、 これらを表現する指標や目標の記載を求める等、非財務情報の開示強化を進める。」と具体化が進むようです。
また、「人的資本以外の非財務情報についてもその開示は重要であるので、価値協創ガイ ダンス等の活用を企業に推奨していく。」ともしています。