こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、5月31日に公表された「新しい資本主義の グランドデザイン及び実行計画」を取り上げています。この計画は、6月7日、「骨太方針」と共に閣議決定される予定です。
今日は、「その2」として「科学技術・イノベーションへの重点投資」を紹介します。
「コロナ禍でワクチンが切り札になったように、科学技術・イノベーションには、感染症・地球温暖化・少子高齢化等、世界が直面する様々な社会的課題を解決する力がある。 同時に、権威主義的国家による挑戦も顕在化する中で、最終的な勝者を決めるのは、科学技術の力である。例えば、先端半導体を開発・生産できる力を持っていることが、国際競争力、更には国家安全保障を左右する…研究開発は私企業のみに任せると過少投資となりやすく、官民で取り組むことが重要である。」 (下線 小堀)
しかしながら、「我が国においては、研究開発投資額の伸び率が他の先進国に比して低い。官が明確な国家戦略を示すことで、将来の成長期待を民間が共有できる等、新たな官民連携により、研究開発投資を活発化させ、社会的な投資効果を最大化する必要がある。」
特に、量子、AI、バイオテクノロジー分野は、我が国の国益に直結する科学技術分野である。…国家戦略を策定し、官民が連携して科学技術投資の抜本拡充を図り、科学技術立国を再興する。また、総理官邸に科学技術顧問を設置する。まさに、官主導で、官邸主導で「技術の日本再興」を目指しているようです。
まず、量子技術は、「…量子コンピュータを活用することで、医薬品候補探索の高速化や、化学材料の改良、渋滞解消等、様々な分野への応用が期待されている。 量子コンピュータの大規模化・高機能化の研究開発については、… 日本単独で考えるのではなく、先行する有志国の企業との連携を実施…日米の官民が連携し、…実証を進める。」
次に「AI技術は、社会実装段階へ入り、…気候変動や防災関連等に加えて、物理・化学や機械等、日本が強みを有する分野とAIの融合を図り、競争力の高い製品やサービスを生み出していく。 また、大学等や国の機関が保有するデータは、…民間企業等 の利活用を進める。…国立研究所等は積極的に技術情報の提供を行う」としました。
さらに、「バイオテクノロジーについては、バイオものづくり、再生・細胞医療・遺伝子治 療に重点化する」としました。 次の4項目です。
①バイオものづくりでは、…新しい物質を生産するテクノロジーを作り
②再生・細胞医療・遺伝子治療では、…細胞・ベクターの製造基盤強化、ゲノム編集技術、…次世代のiPS細胞、オルガノイド活用に向けた研究開発等、革新的な研究開発を進める。
③ゲノム医療の推進では、がん・難病に係る創薬推進等のため、臨床情報と全ゲノム解析の結果等の情報…の情報基盤を構築し、利活用に係る環境を早急に整備する。
④治療薬・ワクチンの開発では、世界的に医薬品市場が成長を続ける中、我が国においても、製薬を成長産業とすべく取組を進める。特に、治療薬やワクチンの開発に取り組む。
次は、「大学教育改革」です。
「世界と伍する研究大学を作るため、研究力に加え、研究と経営の分離、若手研究者の登用等、優良なガバナンスを導入する大学に対し、10兆円規模の大学ファンドで支援する」。この施策は、安倍総理、菅総理の施策を引き継いでいます。
「この際、大学改革の中心となる高い経営能力を持った人材の下で、研究力強化につながる取組に対して重点的に資金が配分される制度とする」とし、民間を含めた人材の登用を示唆しています。
なお、「2025年大阪・関西万博」については、「未来社会の実験場」と位置づけ、「新技術による未来への希望を喚起する起爆剤である。新しい技術のショーウインドウとして、日本 の最新技術による社会への貢献を提示する」としました。