こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、6月7日に持ち回り閣議で了承された「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ」を取り上げました。
今日は、第2章「新しい資本主義に向けた改革」を紹介します。すでに先週、このブログで紹介した内容ですので、かいつまんで説明します。
この章は、1.新しい資本主義に向けた重点投資分野と2.社会課題の解決に向けた取組に分かれています。
「新しい資本主義に向けた重点投資分野」では、「人への投資と分配」に多くの紙面が割かれています。(人的資本投資)では、「2024 年度までの3年間に、…4,000 億円規模の予算を投入する…働く人が自らの意思でス キルアップし、デジタルなど成長分野へ移動できるよう強力に支援する。」としています。
これに対し、みずほリサーチ&テクノロジーズは、Mizuho RT EXPRESS 2022.06.06の「新しい資本主義・骨太方針をどう見るか?」の中で、「日本の成長率を欧米並みに引き上げるために、官民で年間4兆円程度の人的資本投資が必要であると試算している(図表3、詳細は服部(2022)を参照)。現状対比の追加額は年間2.3兆円、うち1.3兆円を公費負担すべきである」と分析しています。
また、第一生命経済研究所 Economic Trendでは、「骨太方針2022のポイント(人への投資編)2022.06.07」の中で、「「3年間で4,000億円」という規模(年間1300億円、GDP比0.02%程度)は海外へのキャッチアップという視点ではまだまだ不足しているといえる。…OECDのデータに基づき、各国の積極的労働政策、その内訳項目である政府による「職業訓練」のGDP比をみたもの…(この中で日本は、)主要先進国の中でも積極的労働政策は下位グループ、職業訓練のGDP比は非常に低い国であることがわかる。」と分析しています。
すなわち、「人的資本投資」とは掛け声倒れで、評価できないとの指摘です。特に、公的な対応を求めていることについては、厚労省が中心となって踏み込んだ労働者の移動を実現するセーフティネットと公的教育を用意すべきだとするのは同感です。
第2節の「社会問題の解決に向けた取組」についても、「(1)民間による社会的価値の創造」で、「官民連携」や「民間で公的役割を担う新たな法人形態」を模索し、(社会的インパクト投資、共助社会づくり)を目指しているようです。
「(2)包摂社会の実現」では、(少子化対策・子供政策)(女性活躍)(共生社会づくり)などの言葉が並び、「こども家庭庁」の顔がまだ見えない状況では、評価しにくく、最後に取り上げた(就職氷河期世代支援)のなかで、「同世代の正規雇用者について30万人増やす」としたことは意義があると思います。
「(3)多極化・地域活性化の推進」については、(デジタル田園都市国家構想)に基づいてデジタル人材やインフラが本当に地方に定着するのか、へき地でもサービスが行き届き、平均賃金が都会と同等に近づいていくのかによって、地方創生も、地方での産業を興し、起業家が活躍できる空間があるのかが決まってきそうに思えます。