こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、6月7日に持ち回り閣議で了承された「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ」を取り上げました。
今日は、第3章「内外の環境変化への対応」です。特に、ここでは、(1)外交・安全保障の強化が中心です。ロシアのウクライナ侵略を目の前で見ていることから理解が速いのかもしれません。
安全保障とは、外交と国防です。ウクライナでの戦争が起きてすぐに分かったことは、経済安全保障であり、エネルギー安全保障、食糧安全保障が必要なことです。ある意味で、国際社会全体が平和の中でグローバルな協力体制が続くことを前提に作られてきました。日本はその中で、ほとんどの準備を怠っていたのかもしれません。
日本にとっての隣国である、ロシアが、中国が、あるいは北朝鮮がそれぞれ防衛と称して、「一方的な現状変更」を企図している限り、「次期G7議長国として」世界にかかわっていく必要があるとしています。
そのためには、「新たな国家安全保障戦略等の検討を加速し、国家安全 保障の最終的な担保となる防衛力を5年以内に抜本的に強化する」とし、すでに、「装備品の取得に関し、国内の防衛生産・技術基盤を維持・強化する観点を一層重視するとともに、基盤強化のために装備移転に係る見直しを含めた所要の制度整備を行うなど、より踏み込んだ取組」を行うこととし、実質的な防衛品の輸出解禁となるようです。
確かに、今の法制では、国内の防衛品の生産会社の維持は難しく、戦争がない限り、長期間再購入はなく、技術開発も工場の維持もできないのが実態だと聞きます。戦争が始まったから武器を作ろうでは防衛はできません。したがって、「国家的に防衛(軍事)産業を保護し、研究開発や生産ができ、世界の趨勢におっくれを取らない技術力をお保持しなくてはならないということです。
また、「本年末に改定する「国家安全保障戦略」及び「防衛計画の大綱」を踏まえて策定される新たな「中期防衛力整備計画」の初年度に当たる令和5年度予算」から本格的に予算が計上される予定です。相当な増額」が見込まれます。「相当な増額」をしたならば、どのような軍隊を維持し、どのような装備で国防をしようとするのかを明確にしてほしいものです。(最近は「防衛白書」を読んでいませんでした)
次に経済安全保障です。「新たな国家安全保障戦略 等の策定に当たり、経済安全保障を重要な課題と位置付ける」として、「半導体、レアアースを含む重要鉱物、電池、医薬品等を始めとする重要な物資」については、「金融支援や助成などの必要な支援措置を整備することで、政府として安定供給を早急に確保する。」としました。
また、「国家安全保障局を司令塔とした、関係府省庁を含めた経済安全保障の推進体制の強化」するとともに、内閣府に「経済安全保障室(仮称)」を設けるとしています。
あれもこれも、対中国、対ロシア、対北朝鮮と世界が分断化され、緊張感が高まっている中で、何もしないわけにはいかないのでしょうが、「外交」を機能させ、当事者国だけでない影響を最小限にとどめたいものです。東西冷戦と代理戦争を見てきた世代としては、何とか「弱い、貧しい国々」の国民を救いたいという人情があります。
次にエネルギー安全保障です。この度のロシアのウクライナ侵攻によって、サハリンで開発していた天然ガスも、原油も将来的にはあきらめることになるのかも知れません。この危機を受けて、政府は、「脱炭素の 取組を加速させるとともに、エネルギー自給率の向上を図る」として、「再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する」と書かれています。
「また、電力需給ひっ迫を踏まえ、…安全最優先の原発再稼働、厳正かつ効率的な審査を含む実効性ある原子力規制や、道路整備等による避難経路の確保等を含む原子力防災体制の構築を進めていく。」と、原子力の復活を謳っています。どこで協議され、どこでこの基本方針が出されたのか分かりませんが、東日本大震災から10年を過ぎて、東電の柏崎発電所のずさんな管理体制を見るにつけ、「族議員」や自民党の姿勢を注視し、関し続けなくてはなりません。なんの歯止めもなく再稼働は許してはなりません。
しっかりと議論して、本当に緊急事態なら、「電力のひっ迫」を声高に宣伝するのではなく、責任者を明確にして、この戦争が終わり需給のバランスが持ち直すまではこうするとか、2050年までのロードマップで、安全な電気と蓄積できる仕組みを早急に技術開お初してほしいものです。
最後は、食料安全保障です。この骨太の原稿が5月末に出たときは、分けられていませんでした。まさに、目の前で、小麦、トウモロコシ、そば(ロシア)などの主食や飼料を支える品目が、不足することから、世界中の単価が上がり、貧国は、国民を飢餓に追い込まれてしまうかもしれません。それは国家単位でなくとも、この冬には、東京でも、地方でも貧しい人が食べ物に窮することが出てきます。