認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は、日本銀行ワーキングペーパーシリーズの「我が国の賃金動向に関する論点整理」(以下「論点整理」という)を深読みします。
ここにきて、物価上昇と賃金アップの話がやっと動き出しましたが、バブル崩壊後の30年間、当たり前のように賃金が上がらず、その理由を知らないままにきていた気がします。
4日間かけて「論点整理」を見てきましたが、「日本の名目賃金を上がりにくくしていた様々な要因」とコロナ「感染症拡大の前後において変化の兆しがみられる」など変化を確認できました。
「人口動態も反映した労働供給面から生じる労働需給の引き締まり、パート労働者比率の上昇トレンドの頭打ち、転職市場が賃金上昇を伴う形で活発化する兆し、賃上げ交渉における物価上昇への意識の高まり」、なども理解できました。
次に、「今後の日本の賃金上昇のペースや持続性を展望するうえで重要な論点」は、以下のとおりです。この4論点を、もう少し時間をかけて確認していく必要がありそうです。
(A)一般労働者の中でも相対的に雇用流動性が低い労働者も含めて賃金が幅広く上昇する か
(B)企業の成長期待が高まって投資活動が活発化し労働生産性の上昇につながるか
(C)スキルアップを通じた労働移動が円滑に行われるか
(D)低インフレのノルムのもとで賃上げが抑制されていた状況が変わって物価と名目賃金が共に上昇していくか
すでに実質賃金はマイナスとなるなどの状況に変化し、これらの流れを確実に変えていく必要があります。
これからの春闘がどのような結果となり、さらに中小企業、小規模事業者までどのような変化を実現するのかをしっかりと確認しなくてはなりません。絶対数の多い中小企業の動向が、日本の経済の変化を支えていくのですから、何とかしたいものです。このままでは、本当に沈没してしまいます。最新版のデータを載せておきます。(楽読)