こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
先週までは、日本公庫の融資課長に聞きたい話でしたが、独立起業が成功させるためには、地域の金融機関の応援が不可欠です。
昨日に続いて、神戸大学の家森信善先生が書かれた『地方創生のための地域金融機関の役割』(中央経済社2018.2.17)という本を参考にしてお伝えします。
それでは今日の話題です。
「地域の金融機関の支店長の本音 経営者の資質と「やる気」の判断」です。
地域の金融機関の支店長が融資判断をする際、一番の重視する項目のダントツは、「経営者の資質・やる気」でした。
すでに紹介したところですが、その資質や「やる気」を判断する項目は、以下のような評価となりました。
(回答レベルは、前回と同様に「①非常に重視する、②重視する、③少しは重視する、④ほとんど考慮しない、⑤考慮しない」の5段階です。)
以下の3項目が20%を超える支店長が「非常に重視する」と答えられています。
① 嘘をつかない誠実な人物である 56.3% (「重視する」 38.3%)
② 対象となる事業について勉強熱心 36.0% (55.6%)
③ 対象となる事業について十分な経験がある。 21.0% (59.9%)
また、経営者の知識と助言に対する姿勢がその次の順位となっています。
④ 財務諸表を理解するなど、経営についての基礎知識を持っている
⑤ 助言者の助言に耳を傾ける
融資の判断について、まず、経営者の資質の中で「嘘をつかない誠実な人」を半数以上の支店長が「非常に重視している」のです。
決してアイディア豊富な方や、チャレンジ精神旺盛なパワフルな人を経営者として評価しないわけではありませんが、まずその前に、「経営者の誠実さ」が、金融機関との付き合いに大きく影響すると考えています。
また、業界のプロとして、自分の業界に詳しく、「十分な経験」があるだけでなく、「勉強熱心」であることを求めています。さらにその知識や技術を磨き上げてこうとする姿勢を問うているのです。
さらに、「経営者としての素養」として財務諸表を理解しているとか、助言者の助言に耳を傾けるなど、独りよがりにならず、金融機関に性格な財務情報を開示し、自分で説明できるようになることを求めているのでしょう。
金融機関から見て、経営者の失敗をかつてのように担保でカバーしたり、経営者の個人保証等で損害を回避したりすることはできにくくなりつつあるのです。
今まで、起業の際のスタートアップの資金を日本公庫から調達をする際は、「自己資金」充実をすることとお話してきました。しかし、地域金融機関においては、「自己資金」だけではないという姿勢なのかもしれません。
中小企業・小規模事業者にとって、まさに社長さんがどのような姿勢で経営に取り組んでいるかが評価される時代が始まりつつあります。この評価は、市場の中に緊張感を生み、「やる気」のある企業が選別される時代に入ったのです。