こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
先週までは、「地域の金融機関の支店長の本音」を書きました。
今週は、「信用金庫から融資を受けるための準備の準備」として、何を考え行動すべきかをお伝えします。
今日のテーマは、「資金調達の崖に直面する前に」です。
一番、資金調達がしやすい時期は、創業時であることは何度かお伝えしました。それは、創業時、「実績」がありませんので、金融機関は、「自己資金」「経験」「事業計画書」で、融資判断を行わざるを得ないからです。すなわち、日本公庫の場合なら、条件さえ整っていれば、創業融資を借りられる確率は高いといえます。
創業後、順調に業績が伸びているときには、金融機関もお金を積極的に貸してくれます。ところが、業績が伸びず、創業時に用意していた自己資金も枯渇してきたときに、金融機関に融資を申し込んでも、ほとんど貸してくれないものです。
すなわち、業績が伸び悩み、資金繰りが厳しくなったときに『資金調達の崖』は現れます。
『資金調達の崖』とは、一番、資金調達がしにくい時期、創業2、3年目を指します。
創業2年目、3年目となると、融資審査の事情が違ってきます。当然、融資審査では、「これまでの実績」を見られます。業績が伸び悩み、毎月の収支がマイナスとなっている会社に対して、積極的に融資をしようとする金融機関は、ほぼありません。
ほとんどの場合は、「もう半年から1年、様子を見させてください」と言って断られます。
その結果、この『資金調達の崖』を乗り越えることができず、多くの創業者が廃業していくのです。創業1年以内に3割、3年以内に廃業する率は5割とも言われています。
この「資金調達の崖に直面する前に」しておかなくてはならないことは何かを、今週は書いていきます。
その第一は、創業融資に積極的な金融機関を見つけ、日本公庫の創業融資の着金口座を開設して、返済引落金融機関にすることです。最初に借りるのは日本公庫でいいのです。しかし、重要なのは、「返済引き落とし口座をどこの金融機関にするのか」です。
サラリーマンをしていた方が創業される時、「今、使っている口座がメガバンクの口座なので」という理由で、そのままメガバンクに公庫の資金を着金される方がいますが、これは大間違いです。
メガバンクは、中小企業の融資に対して、とても消極的です。ましてや、小規模の事業者は、全く相手にされません。口座開設さえ難しいかもしれません。
「返済引落口座を設定する」というのは、その金融機関とのパイプをつくることです。ここで、正しい金融機関を選んでおかないと、将来遭遇すかもしれない『資金調達の崖』を乗り越えることはできません。
選ぶべきは、「創業融資に積極的な」地域密着の金融機関、すなわち、地元の信用金庫、信用組合です。規模が大きくなったら、地方銀行にも取引をお願いしましょう。