こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
先週までは、日本公庫の融資課長に聞きたい話でしたが、独立起業が成功させるためには、地域の金融機関の応援が不可欠です。
一昨日に続いて、神戸大学の家森信善先生が書かれた『地方創生のための地域金融機関の役割』(中央経済社2018.2.17)という本を参考にしてお伝えします。
それでは今日の話題です。
「地域の金融機関の支店長の本音 提供しているコンサルティングの中身」です。
この内容は、支店長が取引先の起業に対して、助言や情報提供を行ったかどうかについて聞き、その内容は①経営改善や②収益拡大に寄与したかを調べたものです。
助言や情報提供の経験でTOP5は、以下のとおりです。
- 不動産の取得や借入
- 新しい販売先
- 専門家や専門機関の紹介
- 国や地方自治体の公的支援策(補助金など)
- 国や地方自治体の金融関係の公的支援策(信用保証制度、制度融資など)
この情報提供等で、①経営改善に大いにつながったと回答しているのは、4.補助金と3.専門家紹介、さらに既存不動産の活用などをあげています。
②収益拡大では、1.不動産取得と5.信用保証制度などを成果としてあげています。
これらのコンサルティングサービスは有用ではあると認識されているようです。しかし、現時点では、これを展開するには、手がかかって障害が多いように見受けられます。
地方銀行や信用金庫の一部では、職員に中小企業診断士の有資格者になるように勧め、コンサルティングサービスを中心に、しっかりと囲い込みをして、高い金利にもかかわらず、信頼関係を構築することに成功して、業績を向上させている会社もあると聞きます。
しかし、他の多くの地域金融機関では、長く続いた「金融マニュアル」を中心とした審査制度で、職員には「目利き力」は必要なく、担保や保証を重視する営業をさせてしまいました。
したがって、中堅社員さえ、「目利き」の指導を若手にできない状況であるのが実態だと思われます。つまり、企業の経営支援を実行するには、担当者の育成や教育から始めなくてはならないようです。
同時に、今までの金融業界の管理制度は、ますます厳しくなっています。社内の提出書類は増え続け、その内容のチェック、完璧度などの作業の膨大さを考慮すると、職員のみなさんが新しい「事業性評価」や「目利き力」に向かって動き出すには、もう少し時間が必要に見えます。
創業のときからお世話になっている地域の金融機関に多くを期待しても無理がありそうです。手前味噌になりますが、個々の起業家が相談する相手として専門家を選択すべきだと思います。
確かに、顧問税理士の契約をしていても、その内容が不確かで、相談ということでは、大きな差があるようです。本当に力があって、しっかりと経営支援をする力がある専門家やコンサルタントと提携して、自分の不足分をカバーしてもらうほうが良いように思います。